慰謝料の具体的ケース
ヘルニアの後遺障害の慰謝料は?
このページでは、「交通事故による椎間板ヘルニア、臓器ヘルニアの後遺障害と慰謝料相場」について徹底調査した結果を報告しています。
椎間板ヘルニアって何のこと!?
交通事故による衝突の衝撃で、脊椎骨の間にある椎間板の中から、組織が飛び出して神経を圧迫することがある。これが、いわゆる椎間板ヘルニアと呼ばれているものだ。
椎間板ヘルニアの多くは、加齢による椎間板組織の軟弱化によるものだが、交通事故で強い衝撃を受けた際に、ヘルニアを発症することもあるという。
その多くは、むちうち症という名目で、腰痛や首の痛み・痺れの通院治療を行っているが、実際には神経を圧迫する明確な原因があるのだ。
椎間板ヘルニアを原因とする後遺障害についてこの機会に正確な知識を得た上で、被害者は弁護士との協力体制のもと、適正な補償を受けるようにすべきだろう。
(まとめ表)
意味 |
背骨の脊椎骨同士をつなぐ軟骨である椎間板の中心にあるゼラチン状の髄核や、周囲のコラーゲンである繊維輪が後方に飛び出し、神経を圧迫している状態。 |
原因 |
加齢が主な原因。交通事故などの衝撃で発症することもある。 |
症状 |
腰痛、下肢の疼痛・しびれ、感覚障害、浮腫など。 |
椎間板ヘルニアによる後遺障害慰謝料の相場は!?
交通事故が原因で椎間板ヘルニアの後遺障害が残った場合、どれくらいの慰謝料をもらえる可能性があるのか調査してみた。
椎間板ヘルニアが原因で、首・腰・背中などに痛みや痺れの症状が残る場合、9級、12級、14級の後遺障害が認定される可能性がある。
事故直後の検査画像上に新鮮なヘルニアを確認できるなど、事故が原因でヘルニアが発症したことを立証できれば、12級の後遺障害が認められる。この場合の慰謝料相場は290万円に上る。
椎間板ヘルニアの程度が大きく、脊髄神経を損傷したり、神経に大幅な狭さくが生じているため、下肢の麻痺による歩行困難などが生じている場合には、9級が認定される可能性もあるようだ。
ただし、椎間板ヘルニアが原因で9級が認定される例は非常に少ないので、期待しすぎるのは禁物だ。万一、9級が認定されれば、慰謝料だけで690万円の支払いを受けられることになる。
なお、椎間板ヘルニアの主な原因は加齢によるものが多く、事故前からヘルニアが発症していることも少なくない。
そのような場合でも、事故の衝撃が大きく、事故が原因でヘルニアによる痛みなどの自覚症状が発生したといえれば、少なくとも14級の後遺障害が認定される可能性が高いといえるだろう。その場合の慰謝料相場は110万円になる。
椎間板ヘルニアの後遺障害認定では、事故との因果関係が疑問視されることも多い。後遺障害認定の段階から交通事故に強い弁護士のサポートを受けておけば、より上位の後遺障害を獲得できる可能性が高まるといえるね。
(まとめ表)
等級 |
認定基準 |
慰謝料 |
9級 |
椎間板ヘルニアによる脊髄損傷・狭さくのため、1下肢の軽度の単麻痺が認められ、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの | 690万円 |
12級 |
椎間板ヘルニアによる神経症状が他覚的所見により医学的に証明できるもの | 290万円 |
14級 |
椎間板ヘルニアによる神経症状が、自覚症状の一貫性・連続性などにより医学的に説明可能なもの | 110万円 |
臓器のヘルニアにはどんな種類があるの!?
交通事故で腹部に強い衝撃を受けたり、事故後に腹部の手術をしたりした場合、腹部の臓器が外側へ飛び出す臓器ヘルニアの症状が出ることがある。
臓器ヘルニアの種類としては、腹壁ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、鼠径ヘルニア、内ヘルニアなどがある。それぞれの症状の概要は、以下の表にまとめたとおりだ。
臓器のヘルニアは、手術によって改善することも少なくない。しかし、手術によっても、どうしても臓器ヘルニアから回復しない場合には、後遺障害として臓器ヘルニアと一生付き合っていかねばならなくなる。
臓器ヘルニアの後遺障害が残った場合には、加害者や保険会社から適切な補償を受けられるように、弁護士に事件を依頼して交渉してもらうべきだろう。
(まとめ表)
種類 |
概要 |
腹壁瘢痕ヘルニア | 腹部の手術あとから、腹腔内の臓器が、腹筋よりも外側に脱出するようになった状態。 |
腹壁ヘルニア | 腹部の弱い部分から、内臓が腹膜に包まれたまま脱出した状態。最も一般的なものが腹壁瘢痕ヘルニア。 |
鼠径ヘルニア | 腹膜や腸の一部が、鼠径部の筋膜から皮膚の下に出てくる。脱腸ともいう。 |
内ヘルニア | 腹部の大きな陥没部などに腸などの臓器が陥入した状態。 |
臓器のヘルニアによる後遺障害の慰謝料相場は?
臓器ヘルニアの後遺障害が残った場合、その程度に応じて9級または11級の後遺障害が認定される。
腹部にヘルニアによる膨張などが常に認められるか、立ち上がったときに認められる場合には、9級が認定され、慰謝料相場は690万円となる。
重い肉体労働などに従事した場合に、ヘルニアによる腹部膨張がみられる場合にも11級の後遺障害が認められ、慰謝料相場は420万円になる。
ただし、臓器ヘルニアの後遺障害を正しく認定してもらい、認定された後遺障害を前提に保険会社と交渉する際には、弁護士によるサポートが必要不可欠になる。
後遺障害の慰謝料請求は、被害者本人だけで対応するのは事実上難しいのが実情だ。できる限り早期に、弁護士に相談した上で、適正な賠償が受けられるように戦略を練りたいところだ。
(まとめ表)
等級 |
認定基準 |
慰謝料 |
9級 |
常時ヘルニア内容の脱出・膨張が認められるもの、または立位をしたときヘルニア内容の脱出・膨張が認められるもの | 690万円 |
11級 |
重激な業務に従事した場合等腹圧が強くかかるときにヘルニア内容の脱出・膨張が認められるもの | 420万円 |
後遺障害の慰謝料.comの監修医師
藤井 宏真 医師
奈良県立医科大学附属病院 勤務
アトム法律事務所 顧問医
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