重度の後遺障害等級
後遺障害等級5級の慰謝料は?
このページでは、「交通事故の後遺障害5級の慰謝料を多く獲得するポイント」について徹底調査した結果を報告しています。
5級の後遺障害の種類と慰謝料相場は!?
5級の交通事故の知識習得の重要性
5級の後遺障害が残った被害者やその家族は、交通事故賠償に関する知識を得ることがとても大切だ。
なぜなら、5級の後遺障害について正確な知識がないまま保険会社の主導で示談が進むと、被害者にとてつもない額の損害が発生することになるからだ。
加害者の加入する任意保険会社は、自動車の利用者の保険料収入によって売上げを上げ、事故発生時に支払う保険金との差額を営業利益としている。
保険会社は5級の後遺障害が残る交通事故について、事案によっては総額で1億円に近い保険金を支払うことになる。
保険会社は営業利益を最大化するために、被害者との任意の示談によって保険金を大幅に下げようとするのだ。
被害者がこれに安易に応じてしまうと、実に1000万円以上の損害を被ることがある。被害者だけで安易に保険会社と示談することだけは絶対に避けなければならないのだ。
このような事態を避けるためにも、5級の慰謝料相場を含め、交通事故に関する正確な知識を得ることが大切だ。
5級の後遺障害の種類は以下の表に示したとおりだ。「どのような場合に5級の後遺症を認定してもらえるのか」の知識を得たい場合には、後遺障害等級5級の慰謝料(具体例)のページを参照するといいだろう。
後遺障害5級 |
|
1 |
一眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの |
2 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
3 |
胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
4 |
一上肢を手関節以上で失ったもの |
5 |
一下肢を足関節以上で失ったもの |
6 |
一上肢の用を全廃したもの |
7 |
一下肢の用を全廃したもの |
8 |
両足の足指の全部を失ったもの |
5級の慰謝料相場
5級の慰謝料相場は1400万円とされている。一方、保険会社は保険金支払額を下げるために、被害者に対して相場の半額の700万円の慰謝料しか払わない。
被害者が保険会社の提示額で示談してしまうと、後遺障害の慰謝料だけで実に700万円もの損失を被ってしまう。このような不利な示談がいまだに通用しているのはなぜだろうか?
被害者が最初に保険会社から提示される金額だけでも逸失利益や介護料を含めるとかなり大きな額になる。被害者は高額な提示を目の当たりにして冷静に考えることができなくなってしまうのだ。
しかし、被害者は目の前に提示されたまとまった示談金に惑わされるのではなく、冷静になって示談するのをいますぐストップしなければならない。
被害者は、専門家である弁護士の意見を聴くことで、本来はどの程度の賠償金を得られるのかをあらかじめしっかりと確認した上で決断を下すように心掛けるべきだろう。
5級の後遺障害慰謝料 |
|
自賠責保険 |
599万円 |
任意保険からの提示額 |
700万円 |
慰謝料相場 |
1400万円 |
5級の慰謝料に関する裁判例の傾向は!?
被害者が5級の慰謝料をできる限り多く獲得するためには、相場を知るだけでは不十分だ。
最近の裁判例の傾向を分析した上で、どれくらいの慰謝料を回収できるのかの予測を立てなければならない。
最近5年間における5級の裁判例を調査した結果を一覧としてまとめてみた。被害者本人の慰謝料の相場が1400万円であるのに対し、裁判例では1400万円~1700万円までの幅があった。
5級の後遺障害の場合、家族固有の慰謝料を認めてもらえる場合がある。10件の裁判例のうち、家族の慰謝料を請求したのは4件であった。4件中2件について100万円と500万円の家族の慰謝料が認められた。
もっとも、残り2件については「5級程度の後遺障害では家族に慰謝料を発生させるだけの苦痛がない」という理由で家族の慰謝料は0円とされた。被害者にとってはとても厳しい判決だといえる。
5級の慰謝料の合計額でみると、同じ後遺障害等級にもかかわらず1400万円~1900万円の幅があり、慰謝料だけで実に500万円もの差が生じている。
この原因は、被害者やその依頼を受けた弁護士が、慰謝料請求のためにどの程度の熱意をかけて主張立証したのかという点にあることが多い。
もう一つは、裁判を担当した裁判官の慰謝料に対する実務感覚も大きく影響しているといえる。
要するに、一つの事故について5級の慰謝料をより多く獲得できるかどうかは、被害者の熱意、弁護士の腕前、裁判官の実務感覚の3つの要素に左右されるといえるだろう。
(まとめ表)
(単位:万円)
5級の慰謝料をできる限り多く獲得するためには!?
被害者が5級の慰謝料をより多く獲得するためには、以下の2点に注意すべきだ。
・被害者の家族分の慰謝料も請求すること
・被害者本人の慰謝料を相場よりも多めに請求すること
家族分の慰謝料の請求
5級の後遺障害が残った場合、家族固有の慰謝料を認めてもらえる可能性が十分にある。
先ほどの2件の裁判例のように、家族の慰謝料を否定するという冷徹な判断がされることもあるが、少しでも可能性がある以上やはり家族の慰謝料も含めて請求すべきだろう。
被害者本人の慰謝料の請求
次に、被害者本人の慰謝料を相場水準より多めに請求することだ。先ほどの裁判例では、5級の慰謝料相場を下回る判断がされた例は1件もなかった。
5級の場合には、慰謝料を相場よりも何割か増額して請求することで、相場を越える慰謝料を認めてもらえる可能性が高まるのだ。
慰謝料の増額理由の主張立証
ただし、単に多く請求すればそれで足りるというわけではない。裁判官に相場を越える慰謝料を認めてもらうためには、具体的な増額理由を証拠により証明しなければならないのだ。
具体的には、被害者が一家の支柱である場合、母親・配偶者である場合、20歳以下の若年者である場合、加害者に故意・重過失や不誠実な態度がある場合には、相場を越える慰謝料が認められやすい。
以下の表にまとめたように、適切な増額割合を設定した上で慰謝料を請求すべきだろう。
なお、任意保険会社は被害者に弁護士がついた場合でも、交渉段階では相場以上の慰謝料を払うことはほとんどない。交渉においては相場水準が示談の上限となるのだ。
そのため、5級の慰謝料を相場以上に獲得しようと思うと、裁判をすることが必須の条件になることが多い。
裁判をした場合、解決までに長期を要することが多いことや被害者にとって手続の負担が増えるというデメリットがある。慰謝料増額のメリットと比較した上で、裁判を起こすかどうか検討するといいだろう。
(まとめ表)
慰謝料額 |
決定基準 |
|
慰謝料相場 |
1400万円 |
相場水準 |
一家の支柱 |
1680万円 |
20%増額 |
母親・配偶者 |
1540万円 |
10%増額 |
1歳~20歳前後 |
1680万円 |
20%増額 |
加害者に故意・重過失や不誠実な態度あり |
1680万円 |
20%増額 |
後遺障害の慰謝料.comの監修医師
藤井 宏真 医師
奈良県立医科大学附属病院 勤務
アトム法律事務所 顧問医
【登録不要】慰謝料相場の自動計算機
このページでは「後遺障害等級5級の慰謝料は?」について調査報告しました。読者の方の中には「弁護士を付けた場合の慰謝料相場を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。そのような方には、こちらの自動計算機がお勧めです。
面倒な登録やアプリのインストールは一切不要です。わずか数項目を入力するだけで、すぐに正当な補償金額の目安がわかります。是非、ご利用ください。