後遺障害診断書の完全ガイド
歯科医に後遺障害診断書を依頼する方法は?
このページでは、「歯の後遺障害の基準、歯科医に適切な後遺障害診断書を依頼するポイント」について徹底調査した結果を報告しています。
歯の後遺障害とは!?
交通事故による怪我で、歯に後遺障害が残ることもある。歯の後遺障害は、事故によって喪失または欠損してしまった歯の本数によって決まるのだ。
歯の本数に応じて、10級~14級までの後遺障害等級に分けられ、それぞれの慰謝料相場も以下の表のように一定額が決まっている。
ただし、歯の「喪失・欠損」については、後で報告するように、細かな基準があるので、ぜひ確認しておいてほしい。
(まとめ表)
等級 |
後遺障害の内容 |
慰謝料相場 |
10級 |
14歯以上の喪失・欠損 |
550万円 |
11級 |
10歯以上の喪失・欠損 |
420万円 |
12級 |
7歯以上の喪失・欠損 |
290万円 |
13級 |
5歯以上の喪失・欠損 |
180万円 |
14級 |
3歯以上の喪失・欠損 |
110万円 |
後遺障害の対象になる歯の喪失・欠損とは!?
どんな歯でも、診断書を作るときに欠けていれば、後遺障害の本数に含まれるんですか?
歯の後遺障害の等級は、欠損または喪失した歯の本数によって決まるが、診断書作成時に欠損・喪失している歯の全てを含むわけではないので、注意が必要だ。
まず、交通事故の以前から喪失・欠損していた歯については、後遺障害の対象になる歯の本数から除かれる。最も重いC4の虫歯のある歯についても、同様に本数から除外される。
また、事故によって喪失・欠損した歯であっても、乳歯や親知らずの歯については、なくなっても支障がないことが多いので、後遺障害の対象になる歯の本数から外れる。
歯科医によっては、後遺障害診断書を記入した経験のない方も少なくないので、被害者自身が後遺障害の基準を理解しておくことが重要だろう。
(まとめ表)
事故以前 |
事故後 |
|
喪失・抜歯 | 後遺障害に含まない | 後遺障害に含む |
歯冠部体積の3/4以上の欠損・切除 | 後遺障害に含まない | 後遺障害に含む |
C4の虫歯 | 後遺障害に含まない | 後遺障害に含まない |
乳歯・親知らず歯の喪失・欠損 | 後遺障害に含まない | 後遺障害に含まない |
歯科医に適切な後遺障害診断書を書いてもらうポイントは!?
歯科医さんに後遺障害診断書を書いてもらうときの注意点はありますか?
歯科医の後遺障害診断書は、ほぼこれだけで後遺障害が認定されるといっても過言ではないくらい重要な資料だ。診断書の内容をみれば、何本の歯が喪失・欠損しているかが明らかに分かるからだ。
しかし、歯科医の中で、後遺障害診断書を作成した経験のある方はごく少数にとどまるといえるだろう。歯科医の診断書の書式・様式は、通常の様式とは異なるものなので、イメージを持ってもらうためにこのページでもアップしておくね。
この診断書の中で、「事故前」「事故後・補てつ前」「事故後・補てつ後」という3つの記入欄がある。
一応、記入方法の説明書きはあるが、一度読んだだけでは理解しづらいのだ。最もよくある間違いとして、この3つの記入欄に重複して、同一の歯を記入してしまうということだ。
すなわち、事故前から欠損していて補てつ済であった歯について、事故後に再度治療を行ったときに、「事故前」の欄と「事故後・補てつ後」の欄の両方に、同じ歯を記入してしまうという間違いだ。
このような間違いがあると、事故によってどの歯が喪失・欠損したのかが不明になるので、十分な後遺障害認定がされないおそれがあるのだ。3つの記入欄には、同じ歯を重複して記入しないように注意する必要がある。
このようにならないためには、診断書作成前から弁護士に依頼して、弁護士から歯科医に対し、診断書の記入上の注意点を分かり易く説明してもらい、認識を共通化しておくことが大切だ。
(まとめ表)
記入欄 |
記入方法 |
事故前 |
事故前から喪失・欠損・C4の虫歯であった歯を記入(補てつ済みも含む) |
事故後・補てつ前 |
事故後に喪失・欠損し、補てつできなかった歯を記入 |
事故後・補てつ後 |
事故後に喪失・欠損し、補てつした歯を記入 |
後遺障害の慰謝料.comの監修医師
藤井 宏真 医師
奈良県立医科大学附属病院 勤務
アトム法律事務所 顧問医
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