脊柱・体幹骨の後遺障害ガイド

鎖骨・胸骨・肩甲骨の後遺障害慰謝料ガイド

このページでは、弁護士が「鎖骨・胸骨・肩甲骨の後遺障害慰謝料」について解説しています。

交通事故で鎖骨・胸骨・肩甲骨に後遺障害が残ってしまった方へ。体の中心部分にあるこれらの骨に後遺障害が残ってしまうと、常にその部分を気にして生活をしていくことになり、大きな負担ですよね。

また、特に肩甲骨や鎖骨が変形してしまったりすると、目立つ骨ゆえに周囲からの視線が気になることもあると思います。

このページでは、交通事故で鎖骨・胸骨・肩甲骨に後遺障害が残ってしまった方に向けて、その後遺障害の種類や、慰謝料の相場等についてご紹介します。

交通事故による鎖骨・胸骨・肩甲骨の外傷

交通事故による鎖骨や胸骨、肩甲骨の外傷にはどのようなものがあるのでしょうか。

やはり多いのは骨折です。たとえば、胸骨は、交通事故でハンドル部分に胸を強打することにより生じやすいなど、部位によって骨折の特徴があります。

そうなんですね。では、部位ごとにその特徴を教えてください。

1 鎖骨の骨折

① 鎖骨とは
鎖骨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

鎖骨は、胸骨と肩甲骨の間にある棒状の骨で、左右に1本ずつ存在します。鎖骨は、肩関節や腕の動きを安定させる役割を有する他、肩関節や腕を胸部から離れた位置に保持することにより、肩関節や腕の自由な動きを助け、その可動域を広げるという役割を持っています。

② 鎖骨骨折の原因
鎖骨は、骨折することが多い骨として知られています。鎖骨に直接的な衝撃が生じた場合の他、転倒して肩やひじを地面に着く等の関節的な衝撃でも骨折することがあります。そのため、交通事故の他、スポーツ等を理由とする鎖骨骨折も多く見受けられます。

③ 鎖骨骨折の治療・リハビリ
鎖骨骨折の治療は、保存療法によることが多いです。なぜなら、鎖骨は全身の骨の中でも、特に骨の形成能力が高く、再生能力が旺盛であるため、折れた鎖骨を本来の位置に戻して動かさないようにしておくだけで、自然と回復するからです。もっとも、骨折の仕方が複雑な場合や、スポーツ選手など特に早期の復帰を希望する場合には、手術をすることがあります。

リハビリでは、周辺の筋肉の緊張をほぐすことと、筋肉を回復することが主な目的となります。特に、筋力が回復していないと、些細な衝撃でも再度鎖骨を骨折することがあるため、筋力の回復が重要となります。

2 胸骨の骨折

① 胸骨とは
胸骨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

胸骨とは、鎖骨の間からみぞおちの部分あたりにかけて存在する、縦型の骨です。上から、胸骨柄・胸骨体・剣状突起の3つの部分からなっており、ネクタイのような形をしています。

② 胸骨骨折の原因
胸骨の骨折は、ほとんどが外部からの直接的な衝撃により生じます。部位としては、胸骨柄と胸骨体の間の部分に生じることが多いです。もっとも、胸骨の骨折の発生頻度は高くありません。原因としては、交通事故で、運転手が胸部をハンドル部分に強打することにより生じるケースが多いようです。

③ 胸骨骨折の治療・リハビリ
胸骨は、通常肋骨に支えられ、動きが少ない骨であるため、骨折しても痛みが強くないことも多いです。そのため、治療法としては、ロキソニン等の消炎鎮痛薬を服用し、経過をみるというのが一般的です。痛みが強い場合には、胸部を固定する帯で固定することもあります。骨折の仕方が複雑な場合には、手術をすることもあります。

胸骨の骨折では、リハビリが必要なケースは少ないですが、場合によって周辺の筋力の回復等のリハビリを行うことがあります。

3 肩甲骨の骨折

① 肩甲骨とは肩甲骨
肩甲骨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

肩甲骨は、背中部分にある三角形のような形をした骨で、肩と腕をつなぐ役割を果たしています。鎖骨と上腕骨に少しの部分でつながっているだけなので、体の中に浮いたような状態となっています。この浮いたような状態が、肩や腕の可動域を大きく広げています。一方、肩甲骨の周りには多くの大きな筋肉があり、肩甲骨周辺を保護しています。

② 肩甲骨骨折の原因
肩甲骨は、周囲を大きな筋肉で覆われているため、衝撃が直接骨に伝わりにくく、骨折しにくい骨といわれています。もっとも、交通事故で転倒し、ガードレールに肩を打ちつける等、肩甲骨に直接的な衝撃が加わった場合には、骨折することがあります。肩甲骨を骨折する場合、肋骨等の周辺の骨も骨折することが多いようです。

③ 肩甲骨骨折の治療・リハビリ
肩甲骨骨折の治療は、骨折部分を固定して行う、保存療法によることが多いです。特に重度な場合には手術をすることもあるようですが、手術になることは極めてまれといっていいでしょう。

肩甲骨の骨折では、リハビリがとても重要になります。なぜなら、骨折の治癒のために長期間肩甲骨を固定してしまうと、周辺にある大きな筋肉が硬直し、また衰えてくることにより、腕が十分に動かせない状態になってしまうからです。そのため、骨折部分が癒合した後は、周辺の筋肉のストレッチや周辺の筋肉のトレーニングが必要となってきます。

(まとめ表)

骨折の部位 原因 特徴
鎖骨 鎖骨への直接的・間接的な衝撃 ・回復力が旺盛
・手術をすることはまれ
・リハビリが重要
胸骨 胸骨への直接的な衝撃 ・痛みが強くないことが多い
・治療は経過観察によることが多い
・リハビリの必要性はそれほど高くない
肩甲骨 肩甲骨への直接的な衝撃 ・周辺を大きな筋肉に覆われているため、骨折自体は少ない
・手術することはまれ
・リハビリが重要

鎖骨・胸骨・肩甲骨の後遺障害ガイド

鎖骨や胸骨、肩甲骨の後遺障害には、どのような種類があるのでしょうか。

いずれにも共通する後遺障害としては、変形したままになる変形障害や、痛み等が残る神経障害があります。また、鎖骨や肩甲骨については、肩の可動域の制限が残ることがあります。

そうなんですね。自分の骨が変形したままになるなんて、恐ろしいですね…。

1 鎖骨の後遺障害

① 鎖骨骨折に伴う肩関節の可動域制限
鎖骨は肩甲骨を通じて肩の関節につながっているため、鎖骨の骨折により肩関節の可動域が制限されることがあります。この場合、その可動域の制限の程度人工関節等の使用の有無等により、異なる後遺障害等級が認定されます。

(肩関節の可動域制限についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
8級6号 ・肩関節が強直した場合
・肩関節が麻痺し、または可動域が通常の10%未満になった場合
・人工関節等を挿入・置換した関節の可動域が通常の50%以下になった場合
10級10号 ・肩関節の可動域が通常の50%以下になった場合
・人工関節等を挿入・置換された場合
12級6号 肩関節の可動域が通常の75%以下になった場合

② 鎖骨の変形障害
鎖骨を骨折し、その癒合がうまくいかなかった場合等に、鎖骨が変形したままになってしまうことがあります。これを変形障害といいます。後遺障害等級において、鎖骨の変形が認められるためには、その変形が「著しい変形」であることが必要となります。そして、「著しい変形」とは、裸体となった時にときに変形が明らかにわかる程度のものをいいます。

(鎖骨の変形障害についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
12級5号 鎖骨に著しい変形が認められる場合

③ 鎖骨の神経障害
鎖骨の骨折により、骨折部分が癒合したとしても、鎖骨周辺に痛みや痺れが残ることがあります、このような場合、神経障害として後遺障害等級認定がなされることがあります。神経障害については、その症状が、鎖骨の骨折によるものと医学的に証明できるか、または医学的に説明可能(矛盾しない)にとどまるかにより、異なる後遺障害等級認定がなされます。

(鎖骨の神経障害についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
12級13号 鎖骨の骨折によるものと医学的に証明できる神経症状が認められる場合
14級9号 鎖骨の骨折によるものと医学的に説明できる神経症状が認められる場合

2 胸骨の後遺障害

① 胸骨の変形障害
胸骨についても、鎖骨と同様に、骨折後に変形障害が残ることがあります。この場合、鎖骨の変形障害と同様の基準で後遺障害等級が認定されます。

(胸骨の変形障害についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
12級5号 胸骨に著しい変形が認められる場合

② 胸骨部分の神経障害
骨折部分に痛みや痺れが残ることがあるのも、鎖骨の場合と同様です。そして、神経障害として後遺障害等級認定されるか否かも、鎖骨と同様の基準により判断されます。

(胸骨の神経障害についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
12級13号 胸骨の骨折によるものと医学的に証明できる神経症状が認められる場合
14級9号 胸骨の骨折によるものと医学的に説明できる神経症状が認められる場合

3 肩甲骨の後遺障害

① 肩甲骨骨折に伴う肩関節の可動域制限
肩甲骨は、上腕骨とともに肩関節を形成しているため、肩甲骨の骨折等により肩関節の可動域制限が生じることも多いです。この場合、その可動域の制限の程度人工関節等の使用の有無等により、異なる後遺障害等級が認定されます。

(肩関節の可動域制限についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
8級6号 ・肩関節が強直した場合
・肩関節が麻痺し、または可動域が通常の10%未満になった場合
・人工関節等を挿入・置換した関節の可動域が通常の50%以下になった場合
10級10号 ・肩関節の可動域が通常の50%以下になった場合
・人工関節等を挿入・置換された場合
12級6号 肩関節の可動域が通常の75%以下になった場合

② 肩甲骨の変形障害
骨折により肩甲骨の変形障害が生じることがあります。肩甲骨は鎖骨や胸骨に比べて大きな骨であるため、鎖骨や胸骨に比べて「著しい変形」が認められやすいといえるでしょう。

(肩甲骨の変形障害についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
12級5号 肩甲骨に著しい変形が認められる場合

③ 肩甲骨部分の神経障害
肩甲骨の骨折後の痛みや痺れについても、鎖骨や胸骨の場合と同様の基準により、後遺障害等級の認定がなされます。

(肩甲骨の神経障害についての後遺障害等級認定基準)

等級 後遺障害の内容
12級13号 肩甲骨の骨折によるものと医学的に証明できる神経症状が認められる場合
14級9号 肩甲骨の骨折によるものと医学的に説明できる神経症状が認められる場合

判例からわかる!鎖骨・胸骨・肩甲骨の後遺障害の慰謝料相場は?

鎖骨や胸骨、肩甲骨に後遺障害が残ってしまった場合の慰謝料の相場はどれくらいなのでしょうか。

具体的事情により様々ですが、軽微な後遺障害では200万円程度、重度のものだと1000万円を超える場合もあるようです。

そうなんですね。辛い後遺障害を負ってしまった方には、ぜひ適切な慰謝料を受け取っていただきたいですね。

(まとめ表)

判例年月日 後遺障害の内容 後遺障害の等級 後遺障害慰謝料
大坂地判
平成7.5.30
胸骨変形障害等 併合5級 1250万円
東京地判
平成18.12.27
左鎖骨変形
左肩関節可動域制限等
不明 1500万円
京都地判
平成22.11.25
右鎖骨変形
右肩関節可動域制限
併合9級 670万円
大坂地判
平成23.4.26
左肩関節可動域制限等 併合9級 700万円
名古屋地判
平成25.6.19
鎖骨変形障害
右肩関節可動域制限
併合11級 420万円
神戸地判
平成25.9.5
鎖骨変形障害 12級 280万円

この表から分かるとおり、鎖骨や胸骨、肩甲骨の後遺障害についての慰謝料額は、具体的事情により大きく異なります。傾向としては、肩の可動域制限が認められる場合や、ほかの部位に後遺障害が認められて併合して後遺障害等級認定がなされる場合等には、高額な慰謝料請求が認められるといえます。

後遺障害の慰謝料請求において、適切な慰謝料を獲得するためには、裁判での十分な主張が必要不可欠です。そして、交通事故に詳しい弁護士であれば、後遺障害が残ってしまった方に代わり、裁判において必要な主張をすることができます。ぜひ一度、交通事故に詳しい弁護士に相談をすることをお勧めします。

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