慰謝料の具体的ケース
骨折の後遺障害の慰謝料は?
このページでは、「骨折の後遺障害の種類、骨折の後遺障害の慰謝料相場、骨折部位が痛む場合の慰謝料」について徹底調査した結果を報告しています。
骨折した部位になぜ後遺障害が残るの!?
交通事故で骨折の怪我を負ってしまった場合、どういう治療過程を経て後遺障害が残るのかについて調査してみた。
骨折した部位については、手術をしたり、ギプスで固定したりすることにより、骨同士が元通りに癒合するように治療が行われることになる。
しかし、治療のかいなく、骨同士が正常に癒合しなかった場合には、異常な画像所見が残り、後遺障害に至ってしまうのだ。
骨折部位が変形した状態で癒合してしまう変形治癒の場合には、変形障害や機能障害が残ってしまうことがある。骨折部位に腫瘍などが発生し、癒合不全の状態のまま止まってしまった場合には、偽関節といって、一定の場合にはそれ自体が後遺障害となる。
骨折部位の癒合の過程で発生する仮骨という組織が過剰に発生してしまった場合(過剰仮骨残存)には、関節機能障害や神経障害が残ることがある。
骨壊死に至ってしまった場合には、治療の過程で短縮障害が生じたり、骨壊死した箇所に機能障害が生じることもある。
このように、骨折の場合には、治療経過がうまくいかなければ、後遺障害が残ってしまうことが多いのが実情だ。
(まとめ表)
概要 |
後遺障害の例 |
|
変形治癒 | 骨折部位が曲がった状態で癒合してしまった状態 | 機能障害、変形障害 |
過剰仮骨残存 | 骨折部位に生じる仮骨が過剰に発生し、関節の動きを邪魔する症状 | 機能障害、神経障害 |
偽関節 | 骨折後に、骨折部位に癒合が不完全になる場合 | 変形障害 |
骨壊死 | 骨折により血行が遮断され、骨片が壊死を起こす状態 | 短縮障害、機能障害 |
骨折の後遺障害の慰謝料相場は?
骨折部位の治療が奏功せず、骨の癒合不全や骨壊死などに至った場合には、主に短縮障害、機能障害、変形障害、神経障害などの後遺障害が残ることがある。
それぞれの後遺障害の概要と、認定される可能性のある後遺障害等級は、以下の表にまとめた通りだ。
後遺障害等級ごとに細かな認定基準があるので、後遺障害申請する前に、どの等級の認定基準に該当する可能性があるのかについて、あらかじめ弁護士に相談しておくべきだろう。
(まとめ表)
後遺症 |
概要 |
認定等級 |
短縮障害 | 下肢の骨盤下部から足首までの長さを測定して、正常な方の足よりも短縮したこと |
8級(5cm以上)
10級(3cm以上) 13級(1cm以上) |
機能障害 | 上肢または下肢の関節の用廃、可動域制限が生じている場合 | 1級、5級、6級、8級、10級、12級 |
変形障害 | 上肢または下肢に偽関節または長管骨に癒合不全を残すもの | 7級、8級、12級 |
神経障害 | 骨折部位に痛みやしびれなどの感覚障害が残ること | 12級、14級 |
骨折の後遺障害は、その程度によって認定される後遺障害等級も様々だ。どの等級であっても、後遺障害の慰謝料には対応する相場が存在する。
慰謝料相場は以下の表にあるとおりだが、弁護士に交渉を依頼した場合と、自分で交渉した場合に比べて大幅に慰謝料額を増額してもらえるのだ。
どの弁護士に依頼するかは被害者の自由だが、弁護士によって連絡対応や交渉の質、事件処理の丁寧さに差があるので、できる限り交通事故分野に特化した弁護士事務所に依頼するのが良いだろう。
後遺症の慰謝料(万円) |
|||||
等級 |
慰謝料相場 |
任意保険基準との差額 |
等級 |
慰謝料相場 |
任意保険基準との差額 |
1級 |
2800 |
+1500 |
8級 |
830 |
+430 |
2級 |
2370 |
+1250 |
9級 |
690 |
+390 |
3級 |
1990 |
+1040 |
10級 |
550 |
+350 |
4級 |
1670 |
+870 |
11級 |
420 |
+270 |
5級 |
1400 |
+700 |
12級 |
290 |
+190 |
6級 |
1180 |
+580 |
13級 |
180 |
+120 |
7級 |
1000 |
+500 |
14級 |
110 |
+70 |
後遺症の慰謝料(万円) |
||
等級 |
慰謝料相場 |
任意保険基準との差額 |
1級 |
2800 |
+1500 |
2級 |
2370 |
+1250 |
3級 |
1990 |
+1040 |
4級 |
1670 |
+870 |
5級 |
1400 |
+700 |
6級 |
1180 |
+580 |
7級 |
1000 |
+500 |
8級 |
830 |
+430 |
9級 |
690 |
+390 |
10級 |
550 |
+350 |
11級 |
420 |
+270 |
12級 |
290 |
+190 |
13級 |
180 |
+120 |
14級 |
110 |
+70 |
雨の日などに骨折部位の痛みが続く場合の慰謝料は?
骨折箇所の治療がうまく行き、完全に骨同士が癒合した場合、通常は後遺障害が残らないことが多いだろう。しかし、骨の癒合後も、とくに雨の日や寒い日には、骨折した箇所に痛みや痺れが生じることも少なくない。
「これくらいの痛みは大丈夫」と気にせずに年数が経過すると、時効などで適正な補償が受けられなくなる可能性があるので注意したいところだ。
骨折部位の痛みが症状固定後も継続する場合には、12級または14級の後遺障害が認定される可能性がある。
痛みの原因が、症状固定時の画像上の骨折部位の客観的状況に起因することが証明できれば、12級が認定される可能性が高い。
一方、レントゲン画像などからは、症状固定時の異常所見がみられないが、通院期間中に痛みや痺れなどの自覚症状を一貫して継続的に訴えており、神経学的検査の結果も骨折部位と一致する場合には、14級の後遺障害を認定してもらえる可能性がある。
雨の日だけ痛みが酷くなるという場合には、気のせいだと考えずに、通院時から主治医にその症状をはっきりと伝え、カルテに記載しておいてもらうべきだろう。
アトム法律事務所では、骨折の後遺障害の認定のサポート業務も行っており、LINEでの無料相談も行っているので、気軽に相談してみるといいだろう。
(まとめ表)
認定される場合 |
慰謝料額 |
|
12級 |
症状固定時の画像 などから、痛みの原因が骨折に起因することが証明できる場合 |
290万円 |
14級 |
痛み・痺れに連続性・一貫性があり、神経学的検査とも一致する場合 |
110万円 |
後遺障害の慰謝料.comの監修医師
藤井 宏真 医師
奈良県立医科大学附属病院 勤務
アトム法律事務所 顧問医
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