重度の後遺障害等級
後遺障害等級6級の慰謝料は?
このページでは、「交通事故の後遺障害6級の慰謝料をできる限り多く獲得するためのポイント」について徹底調査した結果を報告しています。
6級の後遺障害の基本と慰謝料相場は!?
後遺障害6級とは
交通事故の被害者が6級の認定を受けると、その等級に見合った慰謝料や逸失利益を受け取ることができる。6級の後遺障害とはどのようなものか理解しておくことが大切だ。
6級に認定される場面には、6級の後遺障害そのものに当たる場合と、複数の後遺障害を総合して併合6級に認定される場合がある。
6級の後遺障害にはメジャーな後遺障害が含まれていないので、単独で6級に認定されることよりも併合6級として評価されることの方が多い。
複数の後遺障害がある場合の加重併合の考え方については、後遺症の場合の交通事故慰謝料のページを確認するとよいだろう。
どのような場合に以下の表にある6級の後遺障害が認定されるのかについては、後遺障害等級6級の慰謝料(具体例)のページで詳しく報告しているよ。
後遺障害6級 |
|
1 |
両眼の視力が0.1以下になったもの |
2 |
咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの |
3 |
両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの |
4 |
一耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
5 |
脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの |
6 |
一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの |
7 |
一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの |
8 |
一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失ったもの |
6級の慰謝料の相場
被害者が後遺障害6級の認定を受けることができた場合には、それに対応する慰謝料相場は1180万円になる。
交通事故の裁判では、後遺障害の慰謝料について原則として後遺障害等級に対応する相場水準の慰謝料に近い判断が示されるからだ。
一方、加害者の加入する任意保険会社からは相場の半額にすぎない600万円の慰謝料しか提示してもらえない。実に相場よりも580万円も低い金額だ。
このとき、弁護士が被害者の代理人として保険会社に連絡をとれば、相場水準に近い慰謝料で示談することができる。
保険会社としても、弁護士がついた以上、交渉が決裂すれば裁判に移行する可能性が高いため、相場水準に近い示談をしてもらえるのだ。
なお、被害者は自賠責保険から直接慰謝料の支払いを受けることもできる。この場合の慰謝料額は498万円と決められている。自賠責保険金を越える部分の慰謝料は、原則通り加害者本人か任意保険会社に請求していくことになる。
被害者にとって、6級の慰謝料について自賠責保険の水準と相場水準の2つの正確な金額を理解しておくことが解決に向けた出発点になるだろう。
6級の後遺障害慰謝料 |
|
自賠責保険 |
498万円 |
任意保険からの提示額 |
600万円 |
慰謝料相場 |
1180万円
|
最近の裁判例から分かる6級の慰謝料の傾向とは!?
被害者は実際の裁判で認めてもらえる6級の慰謝料と相場との関係は押さえておくべきだ。
そこで、最近7年間の6級の裁判例を調査してみた。被害者本人の慰謝料について相場は1180万円だが、調査した10件の裁判例では920万円~1400万円という幅があった。
10件の裁判例の平均値は1231万円であり相場を50万円ほど上回る傾向にあった。
家族分の慰謝料を請求した事案は10件中2件だけであり、それぞれ100万円の慰謝料が認められている。家族の慰謝料が認められた理由としては、以下のものが挙げられている。
・高次脳機能障害で性格が大きく変わった夫から、日常的に暴言や暴行を受けることによる精神的負担は大きい。
これらの裁判例から分かることは、家族の固有の慰謝料を未請求の事案が多すぎるということだ。6級の後遺障害であれば、家族の慰謝料を認めてもらえる可能性が十分ある。
請求段階からあきらめていては、精神的苦痛に対する適切な補償を受けることはできない。6級の場合はできる限り家族も原告に加えた上で裁判を起こすべきだろう。
また、事案によって慰謝料の金額に大きな幅があることも分かる。後遺障害の慰謝料額が必ずしも等級だけで決まるものではないことを示している。
6級の後遺症が残った被害者としては、最近の裁判例の傾向も踏まえた上で、弁護士と協力して適切な戦略を立てるべきだろう。
(まとめ表)
6級の慰謝料をできる限り多く獲得するためのポイントは!?
最近7年間の6級の慰謝料の傾向は、920万円~1400万円までの幅があることが分かった。裁判官は相場水準の1180万円に固執するわけではないということが分かるね。
一般に、後遺障害の慰謝料の請求額を決める上では、被害者の家庭内での立場や被害者の年齢が重要な要素になる。
被害者が一家の支柱や主婦であった場合には、被害者には支えるべき家族がある。その中で一生涯かけて後遺障害を負って暮らしていくことは、本人にとっても家族にとっても辛さは大きくなるはずだ。
被害者が20歳以下の場合には一般と比べて余命が長く、後遺障害を背負って生きていく期間も長い。単純に考えて、高齢者よりも苦痛の程度が大きくなることは明白だろう。
加害者が飲酒運転や信号無視をして起こった事故であったり、裁判で不合理な主張をして被害感情を逆なでする行為があったりした場合も慰謝料が増額されやすい。
これらの場合には表にまとめたとおり、慰謝料を相場よりも適切に増額した上で請求することが望ましい。最初から請求額を相場以下に限定していては、相場を越える慰謝料の獲得に至る可能性はゼロである。
被害者は、家族や弁護士とできる限りの協力関係を築いた上で適切な増額理由を主張立証し、実態に見合った適切な慰謝料を補償してもらわなければならない。
(まとめ表)
慰謝料額 |
決定基準 |
|
慰謝料相場 |
1180万円 |
相場水準 |
一家の支柱 |
1400万円 |
約20%増額 |
母親・配偶者 |
1300万円 |
約10%増額 |
1歳~20歳前後 |
1400万円 |
約20%増額 |
加害者に故意・重過失や不誠実な態度あり |
1400万円 |
20%増額 |
後遺障害の慰謝料.comの監修医師
藤井 宏真 医師
奈良県立医科大学附属病院 勤務
アトム法律事務所 顧問医
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