被害者請求を徹底解説
後遺障害の被害者請求の期間は?
このページでは、「交通事故の後遺障害の被害者請求に関する時効期間、申請にかかる期間、審査に要する期間」について徹底調査した結果を報告しています。
被害者請求の時効期間はいつまでなの!?
交通事故の被害者に後遺症が残った場合、後遺障害の認定手続の一種として、被害者請求の方法がある。被害者請求に期限や時効期間があるのか調査したのでまとめてみた。
どうやら、法律改正の関係で、交通事故の発生日が平成22年3月31日以前であれば、被害者請求は2年間の時効期間であるが、4月1日以降の時効であれば3年間の時効期間となるようだ。
また、被害者請求は自賠責保険への保険金請求としての性質を兼ね備えているため、治療費や休業損害などの傷害による損害と、後遺障害による損害では、時効の起算点が異なる。
傷害による損害では、事故日から時効期間を起算するのに対して、後遺障害による損害では、症状固定日を時効期間の起算点とする。
うっかり手続を忘れていた場合や、申請準備に時間がかかった場合などは、時効中断の手続が必要になる。自賠責保険会社に時効中断申請書という1枚の書類を出すだけで、時効中断の効果が生じるので、忘れずに手続をしておきたい。
(まとめ表)
傷害による損害の時効期間 | 後遺障害による損害の時効期間 | |
平成22年3月31日以前の事故 | 事故日から2年以内 | 症状固定日から2年以内 |
平成22年4月1日以降の事故 | 事故日から3年以内 | 症状固定日から3年以内 |
被害者請求の申請準備に必要な期間はどれくらい!?
被害者請求の手続を弁護士に依頼した場合、弁護士による申請準備の期間はどれくらいかかるのか気になったので調査してみた。
被害者請求のメインの作業は、自賠責保険会社に提出する書類を収集することだ。弁護士の作業内容としては、より有利な認定結果につながる資料を収集することだ。
まず、基本となる診断書・診療報酬明細書、レントゲン・CT・MRI画像などを収集する期間として、目安は2週間~1か月程度かかることになるだろう。通院先の病院の数が多ければ、より長期の時間がかかることがある。
特に重要な書類である後遺障害診断書については、内容に不備があったり不十分な点があったりした場合には、弁護士から主治医に修正依頼をしたり、主治医への意見照会の手続を行ったりすることがある。
この部分については、主治医の対応が迅速か鈍いかによって期間は異なるので、一律の目安を示すことはできないが、1~2か月程度で期限を区切って対応していくべきだろう。
必要書類一式がそろった段階で、全ての書類を弁護士が網羅的にチェックして、自賠責の認定基準に照らした認定結果の見込みを検討する。
判断が微妙な事案では、弁護士名義の意見書の中に、認定基準に該当する理由を論理的かつ明快に記載し、添付書類として提出することになる。これらにかかる期間は、弁護士の忙しさ加減にもよるが、最短で1~2週間程度だろう。
被害者としては、弁護士に被害者請求を依頼した場合、弁護士側でこのような申請準備を行っていることや、大まかな期間の目安について理解しておいてもらいたい。
(まとめ表)
申請準備の内訳 |
期間の目安 |
医療関係書類の交付を受けるための期間 |
2週間~1か月間 |
主治医への診断書修正依頼、意見照会の期間 |
事案ごとの相当な期間 |
資料検討、意見書作成の期間 |
1~2週間 |
被害者請求の後遺障害の審査に要する期間は!?
被害者請求の必要書類が十分集まった段階で、自賠責保険会社に書類一式を提出することになる。自賠責保険会社での請求の受理から、後遺障害の認定までにかかる審査期間について調査してみた。
平成25年度の統計データによれば、申請受付から認定までの所要期間が1か月以内である事案は85.2%を占めている。1か月超2か月以内の事案も7.6%あるので、9割以上の事案が 遅くとも2か月以内に審査が完了していることになる。
弁護士や行政書士に被害者請求の手続を依頼したのに、一向に認定結果が分からないという場合、周到な申請準備を行っているか、申請が滞っているかのいずれかなので、依頼先に確認してみるといいだろう。
(まとめ表)
申請受付から認定までの所要期間 |
割合 |
1か月以内 |
85.2% |
1か月超~2か月 |
7.6% |
2か月超~3か月 |
3.7% |
3か月超 |
3.5% |
※平成25年度の損害保険料率算出機構の統計データに基づきます。
後遺障害の慰謝料.comの監修医師
藤井 宏真 医師
奈良県立医科大学附属病院 勤務
アトム法律事務所 顧問医
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