後遺障害診断書の完全ガイド

労災事故でも後遺障害診断書は使える?

このページでは、「労災事故でも後遺障害診断書を使えるのか、労災保険と自賠責保険との関係」について徹底調査した結果を報告しています。

交通事故が労災になった場合の後遺障害診断書は!?

通勤途中の交通事故が原因で腰に痛みが残りました。労災からもお金ってもらえますか?

交通事故が労災になる場合には、自賠責だけでなく労災保険でも後遺障害を認定してもらう必要があるよ。それぞれ診断書の書式は異なるから、病院から2通書いてもらわないといけないね。

そうなんですね、主治医の先生に相談してみます!

通勤途中や業務中に交通事故の被害にあった場合、被害者は労災保険からの給付を受け取ることができる。

労災保険金は、怪我の治療費に対応する療養補償、休業損害に対応する休業補償、後遺障害に対応する障害補償の3種類に分かれている。

交通事故の損害賠償においては、自賠責保険の後遺障害等級認定を受けることになる。一方、被害者が労災保険金を請求する場合には、自賠責保険とは別に、労基署から後遺障害の認定を受けることになる。

労災での後遺障害認定にあたっては、労災の所定の書式に基づく後遺障害診断書を労基署に提出することになる。自賠責の後遺障害診断書よりも簡易な書式であり、提出先も異なるようだ。

後遺障害診断書(労災用)のダウンロードはこちら

(まとめ表)

労災保険

自賠責保険

診断書の書式 労災の所定書式
(簡易)
自賠責の所定書式
(詳細)
診断書の提出先 労基署の窓口 ・被害者請求:
自賠責保険会社
・事前認定:
任意保険会社

労災と自賠責の後遺障害認定の取り扱いはどう違うの!?

労災と自賠責の両方に対して後遺障害の申請をしましたが、どうなりますか?

労災も自賠責も、後遺障害の認定基準は同じなんだけど、労災のほうが緩やかに認定してくれる傾向にあるね。

そうなんですね、初めて知りました。

交通事故が労災にも当てはまる場合、被害者は自賠責保険と労災保険の両方の手続において後遺障害の認定を受けることになる。それぞれの手続での認定基準や取り扱いの違いについて調査してみた。

労災保険においては、後遺障害の認定基準が詳細に定められており、後遺障害の認定はその基準に基づいて行われるようだ。自賠責保険においても、労災の認定基準を準用して、後遺障害認定の審査が行われているとのことなので、適用される基準には差がない。

一方、実務上の取り扱いでは、労災保険のほうが自賠責保険よりも緩やかに後遺障害への該当性を認めてくれる傾向にあるようだ。

後遺障害の該当性が微妙な事案では、労災保険での後遺障害認定を先行させた後で、自賠責に労災の資料を提出して申請する方法をとれば、より有利な認定結果につながる可能性が高まるといえるね。

(まとめ表)

労災保険

自賠責保険

後遺障害の認定基準 労災の認定基準に基づく 労災の認定基準に準じて審査
実務上の取り扱い 自賠責よりも認定が緩やかな傾向 労災よりも認定が厳しい傾向

労災保険と自賠責保険のどちらを先に請求すればいいの!?

今回の交通事故の場合、労災と自賠責のどちらを先に請求すればいいですか?

一般的には、加害者が任意保険に未加入の場合には、労災保険から先に請求したほうが有利になることが多いね。被害者様の場合にどうなるかは個別に弁護士に相談したほうがいいね。

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交通事故の労災事案において、被害者は労災保険と自賠責保険のどちらを先に請求すればよいのかについて調査してみた。

交通事故の加害者が任意保険に加入している場合には、被害者は最終的に任意保険会社から賠償金の全額を払ってもらえるので、労災保険と自賠責保険のどちらを先に請求しても大差はなさそうだ。

一方、加害者が任意保険に未加入の場合には、慎重に請求の順序を検討する必要がある。というのは、労災保険と自賠責保険には、それぞれ特徴や制約があるからだ。

自賠責保険は、傷害部分の保険金の限度額が120万円であり、後遺障害部分の保険金の限度額は等級に応じた一定額として決まっている。一方、労災保険では、支給基準に基づく限り、特に支給の限度額は決まっていない

治療期間が長引き、治療費が高額になる場合には、労災保険から支給を受けたほうが有利になることが多いだろう。

また、交通事故での自分の過失割合が7割以上になる場合には、自賠責保険では2~5割の減額が行われるが、労災保険では過失割合にかかわらず全額が支給される。
被害者の過失が大きい事故では、加害者の任意保険加入の有無にかかわらず、労災保険を請求すべきだろう。

入通院慰謝料や後遺障害慰謝料については、労災保険では支給対象外だが、自賠責保険では慰謝料も支給の対象に含まれる。ただし、被害者は労災保険からの支給を受けた後に自賠責保険に慰謝料を請求できる。

このような違いがあるため、加害者が任意保険に加入していない場合には、一般的には労災保険から先に請求したほうが有利になる場合が多くなりそうだ。

ただし、どの手続きをとるのがベストかは、あくまでケースバイケースなので、具体的な事故で手続を検討する際は、一度弁護士に相談することをお勧めするよ。

(まとめ表)

労災保険

自賠責保険

限度額

支給基準に基づく限り、限度額なし 傷害部分:120万円
後遺障害部分:等級に応じた金額

過失相殺による減額

減額なし 7割以上の過失ある場合、2~5割減額

慰謝料

支給なし 支給あり

相互の関係

労災先行の場合、慰謝料や差額分について自賠責に請求 自賠先行の場合、労災の支給基準から自賠責からの受領額を控除

後遺障害の慰謝料.comの監修医師

藤井 宏真 医師

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