脳挫傷の後遺症で請求可能な後遺障害慰謝料はいくら?等級は?
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
脳挫傷の後遺症で請求可能な後遺障害慰謝料はいくら?等級は?
脳挫傷で負う可能性のある後遺障害は、高次脳機能障害・遷延性意識障害・外傷性てんかんなどが考えられます。このような後遺障害に対する等級や慰謝料はどのようになっているのかみていきたいと思います。
脳挫傷「高次脳機能障害」の後遺症(後遺障害)
高次脳機能障害の後遺障害等級
脳挫傷による高次脳機能障害で認定される可能性がある等級はつぎの通りです。
後遺障害等級
脳挫傷による高次脳機能障害
等級 | 内容 具体例 |
---|---|
1級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
食事・入浴・用便・更衣等に常時介護を要する | |
2級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要する ひとりで外出が困難 |
|
3級3号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
記憶・注意力、学習能力、障害の自己認識、対人関係維持に著しい障害 | |
5級2号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
単純くり返し作業ならば、一般就労も可能。環境が変わると作業が継続できない | |
7級4号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどから一般人と同等の作業ができない | |
9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
問題解決能力に障害があり、作業効率や作業維持力などに問題がある |
高次脳機能障害ではこのような等級が認定される可能性があります。
脳挫傷による高次脳機能障害では、9級より軽微な症状としてつぎのような等級が認定される可能性があります。
後遺障害等級
脳挫傷による高次脳機能障害(より軽微な症状)
等級 | 内容 具体例 |
---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
画像所見があるもの | |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
自覚症状のみのもの* |
* 事故の規模・通院頻度・症状の一貫性・各種検査の結果による
9級より軽微な症状がみられる場合はこのような等級が認定される可能性があります。
高次脳機能障害の後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料の算定方法は、事故の相手方が提示してくるもの(自賠責基準・任意保険基準)と弁護士が交渉することで請求できるもの(弁護士基準)で金額が大きく異なります。
脳挫傷による高次脳機能障害に対応する後遺障害慰謝料は以下の通りです。
後遺障害慰謝料
脳挫傷による高次脳機能障害
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
1級1号 | 1,600 | 2,800 |
2級1号 | 1,163 | 2,370 |
3級3号 | 829 | 1,990 |
5級2号 | 599 | 1,400 |
7級4号 | 409 | 1,000 |
9級10号 | 245 | 690 |
12級13号 | 93 | 290 |
14級9号 | 32 | 110 |
単位:万円
ご覧の通り、算定金額が最も低い自賠責基準と最も高い弁護士基準を比べるとその差は歴然です。弁護士に依頼することで、2倍以上の後遺障害慰謝料を請求することができるようになります。慰謝料増額をご希望の方は、なるべく早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。
脳挫傷「遷延性意識障害」の後遺症(後遺障害)
遷延性意識障害の後遺障害等級
脳挫傷による遷延性意識障害で認定される可能性がある等級はつぎの通りです。
遺障害等級
脳挫傷による遷延性意識障害
等級 | 症状 |
---|---|
1級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
遷延性意識障害ではこのような等級が認定される可能性があります。
遷延性意識障害の後遺障害慰謝料
脳挫傷による遷延性意識障害に対応する後遺障害慰謝料は以下の通りです。
後遺障害慰謝料
脳挫傷による遷延性意識障害
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
1級1号 | 1,600 | 2,800 |
単位:万円
遷延性意識障害における損害賠償の総額は、介護費用なども要するので多額にのぼります。そのため賠償金は全体的に高額となっています。
脳挫傷「外傷性てんかん」の後遺症(後遺障害)
外傷性てんかんの後遺障害等級
脳挫傷による外傷性てんかんで認定される可能性がある等級はつぎの通りです。
遺障害等級
脳挫傷による外傷性てんかん
等級 | 内容 具体例 |
---|---|
5級2号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
転倒する発作等 1ヵ月に1回以上 |
|
7級4号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
▼転倒する発作等 数か月に1回以上 ▼転倒する発作等以外の発作 1ヵ月に1回以上 |
|
9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
▼転倒する発作等以外の発作 数か月に1回以上 ▼てんかん発作の頻度 服薬継続により、ほぼ完全に抑制されている |
|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
発作の発現はない 脳波上に明らかにてんかん性棘波を認めるもの |
外傷性てんかんではこのような等級が認定される可能性があります。
外傷性てんかんの後遺障害慰謝料
脳挫傷による外傷性てんかんに対応する後遺障害慰謝料は以下の通りです。
後遺障害慰謝料
脳挫傷による外傷性てんかん
等級 | 自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
5級2号 | 599 | 1,400 |
7級4号 | 409 | 1,000 |
9級10号 | 245 | 690 |
12級13号 | 93 | 290 |
単位:万円
脳挫傷による脳へのダメージは、重症なものだと寝たきりの状態にまでなることが予想されます。軽傷に思えても、何らかの後遺症の症状が一生つづくことになります。後遺症による苦しみはお金では癒えませんが、だからこそ適正な慰謝料を手にしていただきたいです。
弁護士がつけば、可能な限りより多くの慰謝料が得られるように尽力します。アトム法律事務所では無料相談にて交通事故に関するお悩みをお聞きしています。
こちらの窓口にて相談の予約を受け付け中です。気軽にお問い合わせください。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。