交通事故で植物状態(遷延性意識障害)に…後遺障害の申請と慰謝料の解説
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故で植物状態(遷延性意識障害)に…後遺障害の申請と慰謝料の解説

本記事は「植物状態の後遺症」について弁護士が解説します。
交通事故でご家族が植物状態(遷延性意識障害)の後遺症を負ってしまったという方に向けて、交通事故の被害で得られる慰謝料などの損害賠償などについて幅広く解説します。
交通事故で植物状態|原因となる遷延性意識障害とは?
「植物状態(=遷延性意識障害)」は脳に重大なダメージを負うことで、意識不明の寝たきり状態がつづくことになります。交通事故では、頭部外傷などによって脳に大きなダメージを受ける可能性が高いです。
植物状態の原因となるもの
脳内出血
脳梗塞
くも膜下出血
脳挫傷
硬膜下血腫
など主にこのような病名が脳へのダメージが大きく、植物状態の原因となるとされています。

植物状態は交通事故の後遺障害に該当?
後遺症(後遺障害)
治療をつづけても、症状が回復する見込みがない状態で症状が残ること
交通事故における後遺障害は、障害の部位・障害の内容に応じて1~14段階の等級で区分される
植物状態(遷延性意識障)は後遺障害に認定される可能性があります。後遺障害の認定は、交通事故の損害賠償請求において重要な意味を持ちます。
植物状態で交通事故の慰謝料は請求可能?
植物状態が「後遺障害」に認定されると、交通事故の相手方に対して等級に応じた後遺障害慰謝料と逸失利益という損害賠償の請求が可能になります。
後遺障害慰謝料
後遺障害を負ったことで受けた精神的な苦痛に対して支払われる損害賠償
後遺障害等級に応じて、慰謝料の金額相場はあらかじめ設定されています。

後遺障害の逸失利益
後遺障害を負ったことで労働能力が低下・喪失することで将来的に得られなくなった収入に対して支払われる損害賠償
逸失利益は被害者の職業・年齢など、個の状況に応じて算出方法が異なります。もっとも、共通する基本的な計算方法があるので紹介します。
逸失利益の基本的な計算式
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数 |
基本的な計算式で用いられる「労働能力喪失率」は、
障害の部位
障害の程度
事故前の収入
職業、職種
など個の状況に合わせて数値が増減することがあります。主婦などにおける年収の算定方法・ライプニッツ係数一覧などについては、関連記事で詳しく解説しています。
<関連記事>交通事故における逸失利益の計算方法
労働能力喪失率も慰謝料とおなじように等級ごとに目安となる基準が決められています。これは後遺障害が認定されても症状に見合った等級でないと適正な補償を得ることができないことを意味します。適切な等級の後遺障害認定をえるには、後遺障害の知識を多く持った弁護士に相談することをおすすめします。
後遺障害等級の申請方法|植物状態のケース

植物状態における後遺障害等級の申請~等級認定までの流れを解説します。
①症状固定
治療を受け始めてから一定期間が経過すると、症状固定の診断が医師から出されます。

これ以上の治療をつづけても症状が改善する兆しがない状態のことを症状固定といいます。原則として事故から約6ヶ月以上経過していると、後遺障害等級の認定が受けられるようになります。治療期間が6ヶ月よりも短くなると後遺障害認定が受けられなくなる可能性が高いです。必要に応じた定期的な通院が重要になります。
②後遺障害診断書に関する資料の準備
症状固定した後は、後遺障害等級認定の申請に向けて「後遺障害診断書」などの医学的資料を取り寄せます。
後遺障害の申請方法は2通りあり、事前認定または被害者請求のいずれかの方法を選択することができます。

事前認定:被害者が「後遺障害診断書」のみを用意して任意保険会社に提出

被害者請求:被害者が「後遺障害診断書」・「その他の医学資料」を用意して自賠責保険へ提出
後遺障害等級認定の可能性を高めるには被害者請求による申請方法を選択することをおすすめします。
被害者請求は資料を取り寄せるという手間が必要になりますが、認定に有利に働く資料をあわせて提出することができるのが強みです。資料取り寄せの作業は、弁護士に依頼することで弁護士に一任できます。忙しく必要な資料を集められるか不安な方は弁護士に一度ご相談ください。
③損害保険料率算出機構の審査
損害保険料率算出機構によって、後遺障害等級の認定基準を満たしているのかどうかの審査が提出した資料を基におこなわれます。審査結果をふまえて自賠責保険会社から等級が認定されます。
後遺障害の認定の流れ、申請に欠かせない後遺障害診断書の書き方などについては関連記事で詳しく解説しています。
<関連記事>後遺障害等級の申請方法
後遺障害等級が認定されることで、等級に応じた慰謝料・逸失利益の請求が可能になります。つづいては、植物状態で認定の可能性のある後遺障害等級と慰謝料について解説していきます。
交通事故で「植物状態」の後遺障害
交通事故による植物状態の後遺障害等級は何級
交通事故による「植物状態(遷延性意識障)」の後遺障害を負った場合に認定される可能性がある等級はつぎの通りです。
後遺障害等級
交通事故で植物状態(遷延性意識障害)
等級 | 内容 |
---|---|
1級 1号 |
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
「植物状態(遷延性意識障)」は寝たきりの状態がつづいてしまうことになり、ほとんどのケースで常に介護が必要な後遺障害等級1級1号に認定される可能性が高いです。
交通事故による植物状態の後遺障害慰謝料の相場
後遺障害慰謝料の算定は基準が用いられます。もっとも基準には3つの種類があり、それぞれ基準ごとに決められた金額が異なります。つまり、どの基準を使って算定するかで手にできる金額に差が生じるということを意味します。
▼交通事故の相手方が算定に使用する基準
自賠責基準
任意保険基準
▼弁護士介入で算定に使用できる基準
弁護士基準
これらの基準のなかで最も高額なのは弁護士基準です。

「植物状態(遷延性意識障害)」の後遺障害を負った場合の等級に対応する後遺障害慰謝料は以下の通りです。
後遺障害慰謝料
交通事故で植物状態(遷延性意識障害)
等級 | 自賠責基準 (万円) |
弁護士基準 (万円) |
---|---|---|
1級 1号 |
1600 | 2800 |
自賠責基準は3つの基準のなかで最も低い慰謝料になるとされています。弁護士基準とくらべてみると弁護士基準による慰謝料がいかに高額であるかが分かると思います。弁護士基準以外の算定による示談では、本来、得られるはずだった約2~3倍以上もの慰謝料を取り逃してしまう可能性があります。弁護士に依頼すれば、弁護士基準の慰謝料が得られる可能性が高まります。
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植物状態(遷延性意識障害)は命は失われないものの、寝たきりの状態となり事故後の人生が奪われることになります。このような大きな損害を被るにもかかわらず、相手方の保険会社が提示する示談金(損害賠償金)は十分でないこともめずらしくありません。損害に対する適正な補償を受けるには、弁護士に依頼して弁護士基準による慰謝料の算定を実現させることがポイントになります。

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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。