椎間板ヘルニアの後遺症でしびれ・痛み…後遺障害認定の可能性は?
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
椎間板ヘルニアの後遺症でしびれ・痛み…後遺障害認定の可能性は?
本記事は「椎間板ヘルニアによる後遺症」について弁護士が詳説します。
交通事故によって椎間板ヘルニアの後遺症を負うことになってしまったという方に向けて、椎間板ヘルニアの主な症状から後遺障害認定で得られる慰謝料について解説していきます。
椎間板ヘルニアの症状は?
椎間板ヘルニアは、首から腰までつながる背骨のなかにある神経が圧迫を受ける病気です。大きく頚椎/胸椎/腰椎の3つに分けられ、ヘルニアが起こった箇所によってみられる症状はさまざまです。
椎間板ヘルニアの症状例
●頚椎椎間板ヘルニア●
▼初期症状
肩こり
背中の痛み
腕の痛み・だるさ・しびれ・脱力 など
▼進行症状
脚のしびれ・痛み
尿失禁などの膀胱障害
●胸椎椎間板ヘルニア●
背中の痛み
脇腹の痛み
歩きにくい
尿が出づらい など
●腰椎椎間板ヘルニア●
痛み
脱力
感覚障害
足の麻痺
膀胱障害 など
椎間板ヘルニアでは主にこのような症状があげられます。
椎間板ヘルニアでしびれ・痛みの後遺症?
後遺症(後遺障害)
十分な治療を受けつづけても、さらなる改善が見込めない状態で残存する症状
交通事故では、症状の部位や症状の程度に応じて14段階の後遺障害等級で区分される
椎間板ヘルニアによって残った後遺症は「後遺障害」に認定される可能性があります。代表的な症状例はつぎの通りです。
椎間板ヘルニアの後遺症
▼神経症状
しびれ
痛み
麻痺
など、椎間板ヘルニアでは主にこのような後遺障害が残る可能性があります。
椎間板ヘルニアの後遺障害認定で慰謝料増額?
椎間板ヘルニアが後遺障害に認定されると、後遺障害慰謝料と逸失利益の2つの損害賠償項目を事故の相手方へ追加で請求することができます。
後遺障害慰謝料
後遺障害を負ったことで受けた精神的な苦痛に対して請求できる損害賠償
後遺障害慰謝料は等級に応じて慰謝料の基準が設定されています。
後遺障害の逸失利益
後遺障害を負ったことで労働能力が低下・喪失し、将来的な収入が減ることに対して請求できる損害賠償
逸失利益を算出するときに使われる基本的な計算方法を紹介します。
計算式
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数 |
計算式に登場する項目のうち「労働能力喪失率」は、障害の部位や程度、職業などが考慮されて増減することになります。主婦などの場合における年収算定方法・ライプニッツ係数一覧などについて詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
<関連記事>交通事故における逸失利益の計算方法
逸失利益も後遺傷害慰謝料と同じように等級に応じた労働能力喪失率の目安が決められています。等級が1つ違うだけで金額に差が出ることになります。症状に見合った等級認定を得ることが、適正な損害賠償の獲得につながるといえます。後遺障害等級の認定において重要なのは、認定基準に照らした検査方法をおこなうことです。
後遺障害等級認定に精通した弁護士に相談し、認定の可能性を上げていきましょう。
後遺障害等級の申請方法|椎間板ヘルニアのケース
椎間板ヘルニアで後遺障害等級を申請してから等級が認定されるまでの流れを確認します。
①症状固定
治療をつづけてもこれ以上、症状回復が見込めない状態を症状固定と言います。後遺障害等級認定を受けるのであれば、原則として事故から約6ヶ月以上の期間が経過していなければなりません。治療期間が6ヶ月よりも短い場合、後遺障害の認定がおりない可能性が高くなるので、必要に応じた通院の継続を要します。
②後遺障害診断書に関する資料の準備
症状固定になったら、後遺障害等級の認定に向けて後遺障害診断書とその他の医学的資料を準備します。
後遺障害の申請方法は、事前認定または被害者請求のいずれかを選択することができます。
事前認定▶被害者が「後遺障害診断書のみ」を任意保険会社に提出
被害者請求▶被害者が「診断書と一緒に医学的な資料」なども用意して自賠責保険へ提出
資料を病院から取り寄せたりする手間がかかる被害者請求ですが、認定に有利な働きかけをする資料を自分で精査して提出できるのが強みです。資料を集める時間がないなど後遺障害の申請でお困りの方は、弁護士にご相談ください。ご依頼いただくと、弁護士はあなたに代わって資料収集をおこなうことができます。
③損害保険料率算出機構の審査
提出した資料を損害保険料率算出機構が確認し、後遺障害等級の審査がおこなわれます。審査結果をふまえて自賠責保険会社によって等級が認定されます。
さらに詳しい認定手順の流れ、後遺障害診断書の書き方についてなどは関連記事をご確認ください。
<関連記事>後遺障害等級の申請
後遺障害等級が認定されることで、等級に応じた慰謝料が算定されます。つづいては、椎間板ヘルニアで認定の可能性がある等級と慰謝料について詳しく解説していきます。
椎間板ヘルニアで「神経症状」の後遺障害
椎間板ヘルニア「神経症状」の後遺障害等級
椎間板ヘルニアの神経症状で認定が予想される等級はつぎの通りです。
後遺障害等級
椎間板ヘルニアが原因の神経症状
等級 号 |
内容 |
---|---|
9級 10号 |
片方の足に軽度の麻痺があり、就労可能な職種の範囲が相当程度限定されるもの |
12級 13号 |
医学的に証明しうる神経系統の機能の障害を残すもの |
14級 9号 |
医学的に説明可能な神経系統の機能の障害を残すもの |
神経症状ではこのような等級の認定が予想されます。
椎間板ヘルニア「神経症状」の後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、
事故の相手方が使用する基準(自賠責基準・任意保険基準)
弁護士の交渉介入で使用できる基準(弁護士基準)
このどちらを用いて算定するかで金額に大きな差がでます。
椎間板ヘルニアの神経症状に対する後遺障害慰謝料は以下の通りです。
後遺障害慰謝料
椎間板ヘルニアが原因の神経症状
等級 号 |
自賠責基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
9級 10号 |
245 | 690 |
12級 13号 |
93 | 290 |
14級 9号 |
32 | 110 |
単位:万円
自賠責基準と弁護士基準では約2~3倍以上の差が出ることになります。椎間板ヘルニアの適正な慰謝料を得るには、弁護士基準による算定を実現することがポイントです。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。