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可動域制限【下肢編】後遺障害慰謝料は?後遺障害等級認定の方法も解説!

作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故後遺障害可動域

可動域制限【下肢編】後遺障害慰謝料は?後遺障害等級認定の方法も解説!

可動域制限の後遺障害とは?

交通事故で骨折をしたり神経が損傷したりすると、後遺障害として関節の動く範囲(可動域)に制限が生じることがあります。

その場合、後遺障害等級に応じた後遺傷害慰謝料逸失利益を加害者側に請求できます。

そこで本記事では、下肢(股・膝・足首)の関節に可動域制限が生じた場合の
・後遺障害等級
・後遺傷害慰謝料と逸失利益の金額
・後遺障害等級認定の流れ
について解説しています。

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下肢の可動域制限|後遺障害等級・可動域の測り方は?

後遺障害等級は何級?

後遺障害等級とは

交通事故で残った後遺障害の症状や程度に応じて付けられる等級。
1~14級まであり、1級に近いほど重い後遺障害とされる。
後遺障害等級は、損害保険料率算出機構の審査を経て認定される。

後遺障害等級認定の流れについては次項でご紹介します。

まずは、下肢の3大関節(股・膝・足首)に可動域が生じた場合の後遺障害等級を見ていきましょう。

下肢の3大関節に可動域制限が生じた場合、後遺障害等級は1級・5級・6級・8級・10級・12級のいずれかが該当します。それぞれの等級に該当するための条件は、以下の通りです。

後遺障害等級

下肢の可動域制限

等級 内容
1 両方の股関節・膝・足首が可動域を失った
5 片方の股関節・膝・足首が可動域を失った
6 1下肢の3大関節中の2関節が可動域を失った
8 1下肢の3大関節中の1関節が可動域を失った
10 1下肢の3大関節中の1関節の可動域が1/2以下になった
12 1下肢の3大関節中の1関節の可動域が3/4以下になった

関節の可動域制限は、その制限の程度に応じて等級が決められるということが分かります。では、その可動域制限の程度はどのように測るのかについてご紹介します。

下肢の可動域制限の測り方

では、下肢の3大関節である股・膝・足首の可動域の測り方をご紹介します。

なお、関節の可動域を図るときは、

可動域制限がない方の関節と比較する

自力で動かせる範囲ではなく、人が手で動かして動く範囲を見る

ということが基本になります。

①股関節の可動域の測り方

股関節の可動域は、以下の方法から測られます。

股関節の可動域
屈曲 仰向けになって寝て、股関節を曲げて足を上に持ち上げる
伸展 うつぶせになって寝て、股関節から足を上に持ち上げる
外転・内転 仰向けに寝て、ひざを伸ばしたまま片足を左右に動かす。
もう一方の足の方向に動かす(内転)場合は、もう一方の足を上げてその下を通す。
外旋・内旋 仰向けになり、片足を上げて股関節と膝関節をそれぞれ90度にする。
その状態でひざを軸にしてひざから下を左右に動かす。

②膝関節の可動域の測り方

膝関節の可動域は、以下の方法から測られます。

膝関節の可動域
屈曲・伸展 足を延ばしてうつぶせになり、膝を曲げる。

③足関節の可動域の測り方

足関節の可動域は、以下の方法から測られます。

足関節の可動域
屈曲・伸展 足首を直角に曲げ、そこから足首を曲げたりのばしたりする
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下肢の可動域制限|後遺傷害慰謝料と逸失利益の金額は?

後遺障害慰謝料の相場は?

後遺障害等級が認定されたら、それに応じた後遺障害慰謝料を加害者側に請求できます。

後遺傷害慰謝料とは

後遺障害が残ったことで今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償。
金額は、後遺障害等級に応じて決められる。

後遺傷害慰謝料には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準という3つの金額基準があります。

慰謝料金額相場の3基準比較

自賠責基準:被害者が受け取ることができる、最低限の金額基準

任意保険基準:示談交渉時に加害者側任意保険会社が提示してくる金額基準

弁護士基準:示談交渉時に被害者側弁護士が提示する金額基準

任意保険基準は保険会社ごとに異なり非公開ですが、目安としては自賠責基準に少し上乗せした程度と言われています。そこでここでは、自賠責基準と弁護士基準の金額をご紹介します。

下肢の可動域制限に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

下肢の可動域制限

等級 自賠責基準 弁護士基準
1 1100万円 2800万円
5 599万円 1400万円
6 498万円 1180万円
8 324万円 830万円
10 187万円 550万円
12 93万円 290万円

この表を見てもわかる通り、弁護士基準と自賠責基準には大きな差があります。このことから、示談交渉時に加害者側から提示される金額(任意保険基準)も、弁護士基準よりもかなり低いと考えられます。

そのため示談交渉では、加害者側から提示された金額を弁護士基準の金額近くまで増額させて合意に至ることが重要です。

しかし、被害者自身でいくら増額交渉をしても、保険会社側は「弁護士がいない場合はここまでしか出さない」という金額を設定していることが多く、十分に増額できないことがほとんどです。

こうしたことから、提示された金額を妥当な金額まで増額させたい場合には、弁護士に相談することをお勧めします。

逸失利益の相場は?

後遺障害等級が認定されると、後遺傷害慰謝料だけではなく、逸失利益も請求できるようになります。

逸失利益とは

後遺障害によって異動や退職を余儀なくされたり、出世が難しくなったりして得られなくなった将来の収入に対する補償。

逸失利益は、等級に応じた労働能力喪失率事故前の収入などを考慮して計算されます。

この計算は少し複雑になりますので、以下の計算機をご利用ください。

なお、逸失利益の計算式は、自賠責基準でも任意保険基準でも弁護士基準でも同じです。

労働能力喪失率は等級に応じて以下のように決められてはいますが、実際の仕事への影響度を考えた結果、加害者側と被害者側で主張する喪失率が異なることもあります。

その結果、示談交渉時に加害者側と被害者側が主張する逸失利益の金額が異なることはよくあり、こちらも後遺傷害慰謝料と同様増額交渉が必要になることが多いです。

労働能力喪失率

下肢の可動域制限

等級 自賠責基準
1 100%
5 79%
6 67%
8 45%
10 27%
12 14%
3

後遺障害等級の申請方法|可動域制限の場合

後遺障害等級|認定申請の流れ

では最後に、後遺傷害慰謝料や逸失利益を請求するために必要な後遺障害等級を認定してもらうための流れをご紹介します。

後遺障害等級認定の大まかな流れは以下のようになります。

後遺障害等級認定の手続きの流れ
症状固定とは

これ以上治療を続けても大幅な改善は見込めないと判断されること。
後遺障害等級の認定を望む場合は、治療開始から症状固定までに6ヶ月以上の期間があることが望ましい。それより短いと、まだ治療の余地があるのでは?と思われて、等級が認定されない可能性が高い。

症状固定の診断を受けたら、認定の申請へ移ります。申請は、認定の審査を行う「損害保険料率算出機構」に対して行います。その後審査が行われ、多くの場合30日以内に結果が出ます。

ポイント|認定の申請方法は2種類ある

損害保険料率算出機構への認定の申請は、必ず加害者側の保険会社を介して行わなくてはなりません。そしてこの認定の申請には、加害者側任意保険会社を介する方法(事前認定)と加害者側自賠責保険を介する方法(被害者請求)の2種類があります。

それぞれメリットとデメリットがありますので、詳しくご紹介していきます。

事前認定とは

事前認定の流れ

事前認定とは、加害者側任意保険会社を介して損害保険料率算出機構に認定の申請を行う方法です。

この場合、被害者がすることは、後遺障害診断書を加害者側任意保険会社に提出するだけです。その他の必要資料は任意保険会社が揃えて、損害保険料率算出機構に提出してくれます。

そのため、準備は簡単です。ただし、ほとんどの資料を加害者側任意保険会社が管理しますので、審査に有利になる追加資料などの添付は難しいです。

後遺障害等級認定の審査は、基本的に提出した資料のみを見て行われますので、注意が必要です。

被害者請求とは

被害者請求の流れ

被害者請求とは、加害者側自賠責保険会社を介して損害保険料率算出機構に認定の申請を行う方法です。

この場合は、後遺障害診断書以外の必要資料もすべて被害者自身でそろえ、加害者側自賠責保険会社に提出しなくてはなりません。

そのため準備に手間はかかりますが、審査に有利になる追加資料を添付できるため、等級を獲得するための対策をとりやすいですし、審査結果に対する納得感も得やすいです。

被害者請求で被害者が集める資料

後遺障害診断書

医師による診断書

診療報酬明細書

交通事故証明書

後遺障害の存在や症状を裏付ける資料

事前認定と被害者請求|どちらがいい?

認定される等級によって後遺傷害慰謝料や逸失利益の金額は大きく変わる

後遺障害等級の認定審査は、基本的に提出資料のみを見て行われる

この2点を考えると、審査に有利になる追加資料を添付できる「被害者請求」がお勧めです。
集める資料が多くて手間がかかるというデメリットはありますが、弁護士に依頼していただくことで資料集めを代行することもできます。

では最後に、事前認定と被害者請求のメリット・デメリットをまとめておきます。

事前認定と被害者請求
事前認定 被害者請求
メリット 手間がかからない 追加資料を添付できる
デメリット 追加資料の添付が難しい 手間がかかる
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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

全国10事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2019年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。

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