びまん性軸索損傷の後遺症|症状の基本~後遺障害等級の申請まで
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
びまん性軸索損傷の後遺症|症状の基本~後遺障害等級の申請まで
本ページは「びまん性軸索損傷の後遺症」について弁護士が詳説します。
びまん性軸索損傷の後遺症をご自身やご家族が負ったという方に向けて、びまん性軸索損傷の基本的な知識から後遺障害認定で慰謝料を増額する方法について解説します。
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
意識障害が6時間以上つづくようであれば、びまん性軸索損傷が疑われます。交通事故などによる頭部への強い外傷が原因で起こることが多いです。
びまん性軸索損傷の基本|原因と症状
びまん性軸索損傷による症状はさまざまです。
びまん性軸索損傷の症状
●意識障害
会話の応答がない
意識がない
●異常肢位・麻痺
●高次脳機能障害
発語できない
着替えなどの日常動作ができない
集中力が散漫になる
意欲が低下する
などこのような症状がみられることが多くなっています。
びまん性軸索損傷で意識障害の後遺症が残る?
後遺症(後遺障害)
十分な治療をつづけても、改善が見込めなくなった状態で残る症状
交通事故では、障害の部位・程度ごとに14段階の後遺障害等級で区分される
びまん性軸索損傷で残った後遺症は後遺障害に認定される可能性があります。代表的な症状例は以下の通りです。
びまん性軸索損傷による主な後遺障害
高次脳機能障害・麻痺
遷延性意識障害(植物状態)
など、びまん性軸索損傷では主にこのような後遺障害が残る可能性があります。
びまん性軸索損傷の後遺障害で請求可能なお金
びまん性軸索損傷によって負った後遺症が「後遺障害に認定」されると、交通事故の相手方に対して請求できる項目が大きく2つ増加します。後遺障害が残ったことで請求できる金銭のひとつは後遺障害慰謝料です。
後遺障害慰謝料
後遺障害が残ったことで被った精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
後遺障害慰謝料の金額は後遺障害等級ごとに異なります。
後遺障害が残ったことで請求できる金銭のふたつめは逸失利益です。
後遺障害の逸失利益
後遺障害が残ったことで労働能力が低下・喪失し、収入が減ることへの補償
逸失利益を算出する際に使用する基本的な計算法を紹介します。
計算式
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数 |
計算式で用いられる「労働能力喪失率」とは、
障害の部位
障害の程度
被害者の職業
などを考慮して増減することがあります。主婦などのケースでの年収算定方法、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。
<関連記事>交通事故における逸失利益の計算方法
逸失利益も後遺障害慰謝料と同様に、等級ごとの目安となる労働能力喪失率が設定されています。等級が1つ違うだけで差が出ることになるので症状に応じた等級の認定が得られていることが重要です。適正な認定を得るには、認定基準に照らした検査方法をとることが必要になります。
後遺障害等級認定にくわしい弁護士に相談すれば、認定につながるアドバイスが受けられます。
後遺障害等級の申請方法|びまん性軸索損傷のケース
びまん性軸索損傷で後遺障害等級を申請してから等級が認定されるまでの流れを解説します。
①症状固定
治療を継続しても症状の回復が期待できなくなることを症状固定といいます。原則として交通事故から約6ヶ月以上が経過しているようなケースで後遺障害等級の認定が受けられます。治療期間が6ヶ月よりも短いと後遺障害が認定されなくなる可能性が高いので、定期的な通院が必要です。
②後遺障害診断書に関する資料の準備
症状固定と診断されたら後遺障害等級の認定に向け、後遺障害診断書・その他の医学的資料などを準備します。
後遺障害の申請方法は、2つの種類があります。
事前認定:被害者が後遺障害診断書だけを任意保険会社へ提出
被害者請求:被害者が診断書とその他医学的資料を用意して自賠責保険へ提出
被害者請求はご自身で資料を集める手間がかかります。しかし、後遺障害等級の認定に有利な資料を精査したうえで申請できるのが特徴になっています。弁護士に依頼すれば、資料収集作業を任せられるので資料集めに不安がある方でも安心です。
③損害保険料率算出機構の審査
提出した資料から損害保険料率算出機構が後遺障害等級の基準を満たしているかどうかの審査をおこないます。審査結果をふまえて自賠責保険会社が等級認定をおこないます。
もっと細かい認定手順や、後遺障害診断書の書き方などについては関連記事をあわせてご覧ください。
<関連記事>後遺障害等級の申請
後遺障害等級の認定によって等級に応じた慰謝料が算定されます。びまん性軸索損傷における認定の可能性がある後遺障害等級について関連記事を確認ください。
<関連記事>びまん性軸索損傷による後遺障害等級と慰謝料
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後遺障害等級の申請がはじめてで、不安だらけだという方も多いのではないでしょうか。不安なこと、わからないことがある方は、後遺障害等級の認定に詳しい弁護士に相談してみましょう。法律の専門家としての見解をのべさせていただきます。アトム法律事務所の弁護士は交通事故の案件に注力し、実績を兼ね備えています。こちらの窓口より相談予約を受付けています。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。