脳挫傷の後遺症|どんな症状が残る?後遺障害等級の申請方法
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
脳挫傷の後遺症|どんな症状が残る?後遺障害等級の申請方法
このページでは「脳挫傷の後遺症」について弁護士が解説しています。
ご家族や大切な方が脳挫傷による後遺症を負ってしまった方に向けて、脳挫傷の基礎知識から後遺障害認定で増額する慰謝料について紹介します。
奈良県立医科大学付属病院アトム法律事務所顧問医
藤井 宏真医師
頭を激しく打ったあと吐き気などの症状がある場合、脳挫傷の疑いがあります。放置すると脳ヘルニアを発症するおそれもあるので脳神経外科を早めに受診しましょう。
脳挫傷の症状は?
脳挫傷による症状はさまざまです。
脳挫傷の症状
吐き気
おう吐
頭痛
半身麻痺
感覚障害
言語障害(言葉が出ない、ろれつが回らない)
けいれん発作
意識障害(意識もうろう、意識喪失)
などこのような症状がみられることが多いです。
脳挫傷は意識障害などの後遺症が残る?
後遺症(後遺障害)
十分な治療を受けても、これ以上の改善が期待できなくなった状態で残る症状
交通事故では、障害の部位と程度ごとに14段階の後遺障害等級で区分される
脳挫傷で残った後遺症は後遺障害に認定される可能性があります。代表的な症状例はつぎの通りです。
脳挫傷による主な後遺障害
高次脳機能障害
記憶障害
行動障害
性格の変化
遷延性意識障害
植物状態
寝たきり
外傷性てんかん
てんかん発作
など主にこのような後遺障害が残る可能性があります。
脳挫傷の後遺症で慰謝料が増加する方法は?
脳挫傷で残った後遺症が後遺障害に認定されると、事故の相手方に対して請求できる項目が大きく2つ増えます。後遺障害が残ったことで請求できる1つめの金銭は後遺障害慰謝料です。
後遺障害慰謝料
後遺障害を負ったことで受けた精神的ダメージに対して支払われる損害賠償
後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級によって異なります。
後遺障害が残ったことで請求できる2つめの金銭は逸失利益です。
後遺障害の逸失利益
後遺障害を負ったことで労働能力が低下・喪失し、収入が減ることへの補償
逸失利益を算出するにあたって基本的な計算法があります。
計算方法
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数 |
「労働能力喪失率」は、障害の部位・程度、被害者の職業などを考慮して増減することがあります。主婦などの場合における年収算定方法、ライプニッツ係数一覧などはこちらの記事をご覧ください。
<関連記事>交通事故における逸失利益の計算方法
逸失利益も、等級ごとの目安となる労働能力喪失率があります。等級が1つ異なるだけで差が出るので、症状に見合った等級の認定が重要です。適正な認定へとつなげるためには、認定基準に照らした検査方法をとる必要があります。
後遺障害等級認定にくわしい弁護士に相談することで、認定につながるアドバイスが受けられます。
後遺障害等級の申請方法|脳挫傷のケース
脳挫傷などで後遺障害等級を申請してから等級が認定されるまでの流れです。
①症状固定
治療をつづけても症状の改善が期待できなくなった状態を症状固定と言います。後遺障害等級の認定を受ける場合、事故から約6ヶ月以上が経過している必要が原則としてあります。6ヶ月よりも治療期間が短いと後遺障害が認定されない可能性が高くなるので注意が必要です。
②後遺障害診断書に関する資料の準備
症状固定の診断が出たら後遺障害等級の認定に向けて、後遺障害診断書などの資料の準備に入ります。
後遺障害の申請方法は、2種類のパターンがあります。
被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社へ提出する事前認定
被害者が経過の診断書などその他の医学的資料も用意して自賠責保険へ提出する被害者請求
被害者請求は資料を集める手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利となる資料をご自身で精査できるのが特徴です。弁護士に依頼すれば、資料収集作業も一任することができるので忙しい方でも安心です。
③損害保険料率算出機構の審査
提出した資料にもとづいて、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査をおこないます。審査結果をふまえ、自賠責保険会社が等級認定をおこないます。
より細かな認定手順、後遺障害診断書の書き方などについては以下の関連記事を参照ください。
<関連記事>後遺障害等級の申請
後遺障害等級が認定されたら、等級に応じて慰謝料が算定されます。脳挫傷で認定の可能性がある等級について詳しくは以下の関連記事を参照ください。
<関連記事>脳挫傷による後遺障害等級と慰謝料
後遺障害等級の申請で不安な点、不明な点がある方は、後遺障害等級の認定に詳しい弁護士にご相談ください。法律の専門家としての視点からお話しすることができます。アトム法律事務所の弁護士は、交通事故の案件を多数取りあつかってきた実績を兼ね備えています。下記窓口より受付けています。
無料相談を実施しているので気軽にアトム弁護士にご相談ください。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。