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交通事故の後遺症|精神障害の後遺障害慰謝料は?素因減額に注意

作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

交通事故後遺症精神障害

交通事故の後遺症|精神障害の後遺障害慰謝料は?素因減額に注意

精神障害の後遺障害等級と慰謝料

交通事故の後遺症によってうつ病やPTSDなどの「精神障害」の状態になった場合、後遺障害に該当する可能性があります。

今回は

後遺障害等級

後遺障害慰謝料素因減額

この2点をテーマ解説します。

精神障害による症状や、後遺障害等級認定のポイントは以下の関連記事をお役立てください。

1

うつ病・PTSD|精神障害の後遺障害認定等級は?

認定されうる等級は9級・12級・14級

精神障害が後遺障害と認定されたら、9級・12級・14級のいずれかとなります。
まず等級の詳細を見ていきましょう。

後遺障害等級

精神障害

910
通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、就労可能な職種が相当な程度に制限されるもの
12級相当
通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、多少の障害を残すもの
14級相当
通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、軽微な障害を残すもの

精神障害に関する後遺障害等級認定は<A>~<C>の3段階に分かれます。

<A>精神症状の判断

次に示す精神症状に当てはまっているものが一つでもあることが、最初のポイントです。

精神症状

(1)抑うつ状態
(2)不安の状態
(3)意欲低下の状態
(4)慢性化した幻覚・妄想性の状態
(5)記憶又は知的能力の障害
(6)その他の障害(衝動性の障害や不定愁訴など)

<B>能力の判断

能力に関する判断項目
1)身辺日常生活
・入浴、更衣など清潔保持を適切にできるか
・規則的に十分な食事をすることができるか
2)仕事・生活への積極性・関心
・仕事の内容、職場での生活や働くことそのもの、世の中の出来事、テレビ、娯楽等の日常生活等に対する意欲や関心があるか
3)通勤・勤務時間の遵守
・規則的な通勤や出勤時間等約束時間の遵守が可能かどうか
4)普通に作業を持続すること
・就業規則に則った就労が可能かどうか
・普通の集中力・持続力をもって業務を遂行できるかどうか
5)他人との意思伝達
・職場において上司・同僚等に対して発言を自主的にできるか等他人とのコミュニケーションが適切にできるか
6)対人関係・協調性
・職場において上司・同僚と円滑な共同作業、社会的行動ができるかどうか
7)身辺の安全保持、危機の回避
・職場における危険等から適切に身を守れるかどうか
8)困難・失敗への対応
・職場において新たな業務上のストレスを受けたとき、ひどく緊張したり、混乱することなく対処できるか等どの程度適切に対応できるか

能力に関する判断項目について4段階で評価をします。

4段階の基準

できない

しばしば助言・援助が必要

時に助言・援助が必要

適切又は概ねできる

<C>就労意欲の有無又は就労の実際

① 就労している又はその意欲がある

② 就労していない又はその意欲が低い

<早見表あり>精神障害と後遺障害認定の基準

<A>のいずれかに当てはまることを前提として<B><C>を組み合わせるとこのようになります。

<精神障害>後遺障害等級認定の基準
910
通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、就労可能な職種が相当な程度に制限されるもの
<B>の中の(2)~(8)のどれか1つが失われているもの <B>の(1)に「時に助言・援助を必要とする」
<B>の4つ以上について「しばしば助言・援助が必要」
12級相当
常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、多少の障害を残すもの
<B>の4つ以上について「時に助言・援助を必要とする」 1)が「適切又は概ねできるもの」
14級相当
通常の労務に服することはできるが、非器質性精神障害のため、軽微な障害を残すもの
<B>の1つ以上について時に助言・援助が必要

次に、それぞれの後遺障害等級の慰謝料を確認していきましょう。

2

うつ病・PTSD|精神障害の後遺障害慰謝料は?

9級・12級・14級の慰謝料、弁護士基準も掲載

解説するのは「後遺障害慰謝料」です。「後遺障害慰謝料」とは、後遺障害をおったことへの精神的苦痛に対する補償です。治療費や、入院・通院への慰謝料とは別物です。
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に応じておおよそ基準が決まっています。

後遺障害慰謝料

精神障害の後遺障害

等級 自賠責基準 弁護士基準
910 245万円 690万円
12級相当 93万円 290万円
14級相当 32万円 110万円

後遺障害慰謝料の3基準

慰謝料の算定基準は3つあります。
そして、どの基準で算定するかで慰謝料の相場がちがいます。

慰謝料金額相場の3基準比較
慰謝料算定の3基準

(1)自賠責保険の基準(自賠責基準)
(2)任意保険の基準
(3)弁護士基準

誰が用いる基準なのかで整理すると、3つの基準の違いが分かりやすいです。

▼相手方が提案してくる慰謝料算定の基準

自賠責保険の基準

→「自賠責保険」は自動車の運転者には全員に加入義務があります

任意保険の基準

→「任意保険」は自動車の運転者が任意で加入している保険です

自賠責保険は、被害者救済を目的として最低限の補償を行っています。しかし、その補償内容は十分とは言い切れません。
被害者の怪我の具合や交通事故の規模によっては、自賠責保険だけでは被害者への損害賠償を支払えない…こんな事態も起こっています。
そこで、不足分をカバーしているのが「任意保険」です。
自賠責保険の保険金に「任意保険の保険金」を上積みすることで、被害者に損害賠償を行います。

任意の自動車保険と自賠責保険の関係

▼弁護士が交渉する慰謝料算定の基準

弁護士基準

→弁護士が交渉時に用いる基準です。裁判でも使われている公正な基準で、慰謝料の相場は最も高くなります。

「後遺障害慰謝料」だけでなく、入通院慰謝料(傷害慰謝料)や休業損害も、弁護士基準で計算すると相場が最も高くなります。関心のある方は以下の関連記事もお読みください。

素因減額を最小限におさえるために

「素因減額」という言葉は、精神障害における損害賠償で重要です。

素因減額

交通事故にあう前から被害者のもつ体質的・精神的要因(素因)が、損害の発生・拡大に影響を及ぼしている場合、程度に応じて加害者側の賠償額を減額すること

うつ病では、実際に素因減額されるケースがほとんどです。
一切素因減額されない、ということは実際難しいかもしれませんが、加害者側の主張する素因減額が適正とは言い切れません。

弁護士に依頼いただければ、素因減額を適切な範囲にとどめられるように主張します。

3

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4

示談を結ぶ前にひと呼吸おいてみませんか

後遺障害慰謝料の金額は、たとえ同じ後遺障害等級であっても、算定基準に左右されることを解説してきました。もし今、相手方から示談案を提示されているならば、締結前に少し確認をとってほしいのです。その金額、もしかして自賠責保険や任意保険会社の基準ではありませんか?。一度示談を結ぶと、たとえ被害者であっても内容変更は難しくなります。弁護士に示談提案内容を見せて、増額の余地を含めてチェックすることをおすすめします。

弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

全国10事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2019年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。

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