肩の後遺障害|気になる症状と後遺障害等級認定を弁護士がわかりやすく解説
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
肩の後遺障害|気になる症状と後遺障害等級認定を弁護士がわかりやすく解説
肩は人間の身体にある重要な関節の一つです。
肩に後遺障害が残ってしまったら、今の生活や仕事に大きな影響があるでしょう。
この記事には以下の3つのテーマがあります。
症状
後遺症
後遺障害認定されうる等級
交通事故による肩の後遺障害について解説します。
もし、交通事故による「肩の後遺障害」について、後遺障害等級や後遺障害慰謝料の金額を知りたい方は、下記の関連記事をお役立てください。
関連記事:肩の後遺障害:後遺障害等級と慰謝料
肩を負傷した…どんな症状がある?
肩を傷めた時の症状
肩には多くの骨・筋肉が機能しあっており、非常に複雑な動きが可能です。
症状
肩が動かしづらい
肩が上げづらい
肩が上がらない
肩が変形している
肩を損傷してしまい切断せざるを得ない
症状には個人差があります。
医師には
事故の状況
受傷した箇所
症状
を詳細にできるだけ正確に申告してください。
肩に残る後遺症は「後遺障害」に認定される?
「後遺障害の有無」は交通事故において重要ポイントです。実際に交通事故解決のフローをみてみると、後遺障害の有無によってフローが分かれています。
フロー
肩に後遺症が残った場合、後遺障害認定される可能性があります。
後遺障害認定の可能性がある後遺症は次の通りです。
後遺障害 | 後遺症 |
---|---|
機能障害 | 腕が上がらない 腕が上げづらい |
神経症状 | 痛みが残っている |
変形障害 | 変形がみられる |
欠損 | 切断せざるを得ない |
後遺障害とは
一生懸命に治療を継続しても必ず完治するかは分かりません。時に治療の甲斐なく、身体に症状が残ることもあります。この症状を「後遺症」といいます。
後遺障害というのは、一定の要件に当てはまる後遺症と考えてください。その要件は次の4つです。
後遺障害の4要件
① 交通事故による怪我が原因となっている
② 医学的に適切な方法で治療を継続したけれども症状が残存している
③ 将来的に回復がむずかしいと見込まれる肉体的・精神的な症状
④ 症状の存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うものとして一定の基準に該当するもの
後遺障害等級は1~14級まであり、後遺障害の残る身体の部位や怪我の程度ごとに等級が決まります。4つの要件を満たし、かつ当てはまる等級があれば後遺障害認定されます。
そして、後遺障害に認定されれば後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能です。損害賠償請求できる項目が増えるので、損害賠償金も増加します。
内訳
後遺障害認定の2つの方法
治療を継続していると、
治癒・完治する
治療を続けても良くも悪くもならない
いずれかの時期を迎えることになるでしょう。
「治療を続けても良くも悪くもならない」時期のことを、症状固定とよんでいます。
症状固定かどうかは医師の判断が重視されます。
注意
後遺障害認定の一つの目安として、<症状固定日が交通事故から6ヶ月以上経過していること>があげられます。
後遺障害認定を受けるには、まず後遺障害等級認定の申請から始めましょう。症状固定かどうかを判断するのは医師ですが、身体に残った後遺症を「後遺障害」と判断するのは、医師ではありません。
後遺障害等級申請の方法は2つありますので、任意で選択可能です。
どちらの方法にも、メリットとデメリットがあります。申請フローを示しますので、どんなメリットとデメリットがあるかを確認していきましょう。
2つの後遺障害認定申請方法
(1)事前認定
(2)被害者請求
(1)事前認定
事前認定のフロー
メリット
被害者自身で行うことが比較的少ない方法です。
被害者にとっては手間や負担があまりかかりません。
デメリット
最終的に申請をするのは加害者側の任意保険会社になります。
想定していた等級認定結果が得られなかった
後遺障害には当たらないとして「非該当」となった
こんな場合、結果への納得感は得づらいでしょう。
(2)被害者請求
被害者請求のフロー
メリット
被害者自身でどんな資料を提出するかを決めて提出の準備・収集も行います。
被害者の主張を裏付ける検査結果や、補足説明したい事項についても添付したりと工夫ができる点が特徴です。
デメリット
被害者自身で提出資料を収集するので、事前認定と比べて手間・負担が大きくなります。
◆弁護士オススメの申請方法は〇〇〇
弁護士としては被害者請求での後遺障害認定申請をオススメします。
それは申請時の資料に工夫ができるからです。
後遺障害認定に欠かせないのは症状を裏付ける医学的なデータです。
MRIやCTなどの画像診断結果、腕が上がらないという症状を主張するならばどれくらい腕が上がらないかを示した検査結果など、被害者の伝えたいことが第3者にもわかるような資料をそろえることがポイントになります。
「被害者請求」は事前認定と比べて被害者の負担が大きくなります。
しかし、後遺障害等級認定を適正に受けるためには、被害者請求の方がより結果が期待できる申請方法といえます。
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
請求者 | 相手方の保険会社 | 被害者自身 |
認定申請を行ったら、「損害保険料率算出機構」によって審査されます。後遺障害と認定されると、「後遺障害等級」がつきます。そして後遺障害等級に応じて、後遺障害慰謝料が算定されます。等級が一つ違うだけで慰謝料の金額が大きく変わりますので、適正な後遺障害等級の獲得が最重要です。
肩に残った後遺症は後遺障害〇級該当の可能性
肩の後遺障害として認定されうる後遺障害等級を示します。
認定の可能性がある等級
1級3号:両上肢をひじ関節以上で失ったもの
1級4号:両上肢の用を廃したもの
2級3号:両上肢を手関節以上で失ったもの
4級4号:1上肢をひじ関節以上で失ったもの
5級4号:1上肢を手関節以上で失ったもの
5級6号:1上肢の用を全廃したもの
6級6号:1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
7級9号:1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
8級6号:1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
8級8号:1上肢に偽関節を残すもの
10級10号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級6号:1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
12級8号:長管骨に変形を残すもの
12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
14級9号:局部に神経症状を残すもの
さらに詳細な後遺障害等級ごとの内容や慰謝料金額について関心のある方は、下記のページも参考にしてください。
無料|24時間365日|相談の予約窓口
この記事のまとめ
後遺障害等級認定を申請するなら「被害者請求」がおすすめ
肩の後遺障害の後遺障害等級は1級3号、1級4号、2級3号、4級4号、5級4号、5級6号、6級6号、7級9号、8級6号、8級8号、10級10号、12級6号、12級8号、12級13号、14級9号に認定される可能性があります。
後遺障害等級は、1級~14級まで幅広く該当する可能性があります。
どんな等級であれ、交通事故にあうまでに「当たり前」だったことが奪われてしまう…。日常生活・仕事はもちろん、人生への影響は計り知れません。
まずは正しい後遺障害等級の認定を受けることを弁護士と目指しませんか?
申請や相手方とのやり取りでは、書類や電話も多く、腕に不自由をかかえたままでは辛いこととお察しします。
弁護士に依頼すれば相手方との交渉の窓口は弁護士が担当します。書類などもできるだけ負担が少なくなるようサポートいたします。
ここからは「弁護士無料相談」のご案内です。
【スマホで簡単】電話相談予約窓口/1:1のLINE相談
24時間OK
365日
土日祝OK
アトム法律事務所の無料相談の予約受付の窓口は年中無休です。
▼電話相談
まずは専任のスタッフがお話をお伺いします。お話をお伺いしてから、最も適切なご案内をいたします。お電話の際に特別にご用意いただくものはありませんので、ご安心ください。
※電話相談自体は無料ですが、その後契約となると「弁護士費用特約」の有無で料金が変わります。案件にもよりますが、弁護士費用特約があれば実質無料で弁護士に依頼できる可能性が高いです。費用面のご相談でしたら、弁護士費用特約の確認をしておいていただけるとスムーズです。ご加入の任意保険の特約をチェックしてみてください。
▼LINE相談
直接弁護士とLINE相談が可能です。トークルームは1:1なので、落ち着いて相談ができます。弁護士事務所に電話をするのは緊張する…という方もLINEから始めてみてはいかがでしょうか。
原則、お問い合わせいただいた順番に対応してまいります。弁護士の人数には限りがありますので、順番をお待ちいただく場合もございます。何卒ご了承ください。
後遺障害認定申請は症状に応じた「やり方」があります
後遺障害認定申請は、訴えたい症状によって変える必要があります。
たとえば、「腕が上がらない人」と「足が曲がらない人」が同じように申請を出しても、申請を受け付けた側は正しく症状を理解できるでしょうか。
その症状を裏付ける検査結果などを示すことは絶対に必要です。
また「腕が上がらず困っています」と書いても、申請を受け付けた側はどの程度上がらず、どんな風に困っているのかが分かりません。
等級認定を受けるのは診断名や症状ではありません。被害者個人が認定を受けるものです。だから、あなたの身体に残っている症状を正確にわかりやすく伝えなくてはいけません。そのノウハウは弁護士は持っています。ぜひ交通事故の解決実績が豊富な弁護士にお任せください。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。