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肩の後遺障害|腕の上げづらさ、痛み、変形、欠損などの後遺障害等級と慰謝料

作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)

後遺障害

肩の後遺障害|腕の上げづらさ、痛み、変形、欠損などの後遺障害等級と慰謝料

肩の後遺障害等級と慰謝料の相場

肩の後遺障害は

機能障害→腕が上がらない、腕が上げづらい

神経症状→痛みが残っている

変形→変形がみられる

欠損→切断を余儀なくされた

こういった認定を受ける可能性があります。

この記事には以下の2つのテーマにそって、肩の後遺障害を解説していきます。

後遺障害認定されうる等級

後遺障害慰謝料の目安

もし、交通事故によって肩を傷めた場合の症状や後遺障害認定のポイントを知りたい方は、下記の関連記事をお役立てください。

関連記事:肩の後遺障害:後遺障害認定のポイント

1

肩の後遺障害|機能障害の後遺障害等級は何級?慰謝料はいくら?

「腕が上がらない」「腕が上げづらい」後遺障害等級は何級?

交通事故の後遺症によって腕の上げづらさが残った場合、認定される可能性がある後遺障害は次の通りです。

1級4号

5級6号

6級6号

8級6号

10級10号

12級6号

後遺障害等級ごとに内容をみておきましょう。

後遺障害等級

肩の機能障害

等級 内容
14 両上肢の用を廃したもの
56 1上肢の用を全廃したもの
66 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
86 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
1010 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
126 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの

内容について詳しくチェックします。

機能障害とは

人体には「肩」「ひじ」「手」の3大関節があります。
関節の可動域に障害が出ることをさします。

その他にも普段は聞きなれない表現がみられます。

上肢の用を廃する

関節の用を廃する

著しい障害を残す

障害を残す

「用を廃する」の定義を部位別にまとめました。

<まとめ>用を廃するとは
上肢
3大関節(肩・ひじ・手関節)のすべてが強直し、なおかつ手指の全部の用を廃したもの
関節▼いずれかに該当
① 関節が強直したもの
② 関節の完全弛緩性麻痺またはそれに近い状態にあるもの
③ 人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健康な関節の可動域角度の12以下に制限されているもの
手指▼いずれかに該当
① 手指の末節骨の長さの12以上を失ったもの
② 中手指節関節または近位指節間関節(母指にあっては指節間関節)の可動域が、健康な関節の可動域角度の12以下に制限されるもの
③ 親指については橈側外転または掌側外転のいずれかが、健康な関節の12以下に制限されているもの
④ 手指の末節の指腹部及び側部の深部感覚及び表在感覚が完全に脱失したもの

次に「障害を残す」の定義を程度別にまとめました。

<まとめ>障害を残すとは
著しい障害▼いずれかに該当
① 関節の可動域が、障害のない方の腕の可動域角度の12以下に制限されているもの
②人工関節・人工骨頭を挿入置換した関節のうち、その可動域が健康な関節の可動域角度の12未満程度減少しているもの
障害▼
関節の可動域が健康な関節の可動域角度の34以下に制限されているもの

それぞれの条件を満たすことを検査結果で示し、後遺障害等級認定を目指しましょう。

「腕が上がらない」「腕が上げづらい」後遺障害慰謝料はいくら?

機能障害の後遺障害慰謝料は以下の通りです。

後遺障害慰謝料

肩の機能障害

等級 自賠責基準 弁護士基準
14 1100万円 2800万円
56 599万円 1400万円
66 498万円 1180万円
86 324万円 830万円
1010 187万円 550万円
126 93万円 290万円

「自賠責基準」と「弁護士基準」の違いをおさえておきましょう。
基準によって金額が全然違う理由も解説します。

▼後遺障害慰謝料の3基準

慰謝料の算定基準は3つあり、どの基準で算定するかで慰謝料の相場がちがいます。

慰謝料金額相場の3基準比較
慰謝料算定の3基準

(1)自賠責保険の基準(自賠責基準)
(2)任意保険の基準
(3)弁護士基準

3基準を区別するなら、誰が用いる基準なのかで整理するとより違いが分かりやすいでしょう。

自賠責・任意保険基準

相手方(加害者側)が損害賠償を算定する時に使う基準です。

自賠責保険は被害者救済を目的としていますが、補償内容は十分とは言い切れません。
そこで、自賠責保険の不足分をカバーするのが「任意保険」です。
自賠責保険の保険金に「任意保険の保険金」を上積むことで損害賠償を支払っています。

任意の自動車保険と自賠責保険の関係
弁護士基準

弁護士が交渉時に用いる基準です。裁判でも使われている公正な基準で、慰謝料の相場は最も高くなります。

弁護士基準の相場が高くなるのは、「後遺障害慰謝料」だけではありません。入通院慰謝料(傷害慰謝料)や休業損害も、弁護士基準で計算すると相場が最も高くなります。気になる方は以下の関連記事もチェックをしてみてください。

2

肩の後遺障害|神経症状の後遺障害等級は何級?慰謝料はいくら?

「痛みがのこった」後遺障害等級は何級?

痛みやしびれなどの「神経症状」は、後遺障害12級13号14級9号と認定される可能性があります。
内容をチェックしておきましょう。

後遺障害等級

肩の神経症状

等級 症状
1213 局部に頑固な神経症状を残すもの
149 局部に神経症状を残すもの

神経症状については、「頑固な」という言葉の違いに注目です。

レントゲン・MRI画像などの画像検査で神経症状の原因が確認できるか

医学的な根拠を示せると「頑固である」ことの判断要素となります。

神経症状のまとめ

痛みやしびれ症状が医学的に示される→12級13号

一応の説明や推定が可能→14級9号

※おおよそ半年以上通院していることが前提です。

また、事故直後から症状が一貫していることもポイントになります。神経症状が交通事故に起因することが、損害賠償を求める前提なのです。
12級と14級の違いについてもっと詳しく知りたい方は弁護士にご相談下さい。

「痛みがのこった」後遺障害慰謝料はいくら?

痛み・しびれなどの神経症状について後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

痛み・しびれの後遺障害

等級 自賠責基準 弁護士基準
1213 93万円 290万円
149 32万円 110万円

弁護士基準が3倍以上の相場になります。
同じ後遺障害等級でこれだけの差が出てしまうので、やはり慰謝料は弁護士基準での獲得が望ましいでしょう。

3

肩の後遺障害|変形の後遺障害等級は何級?慰謝料はいくら?

「変形している」後遺障害等級は何級?

認定される可能性がある後遺障害等級は7級9号8級8号12級8号があります。
まずは「変形障害」とはどういう障害かをおさえておきましょう。

変形障害とは次のいずれかをさします。

偽関節(ぎかんせつ)を残すもの

癒合不全(ゆごうふぜん)を残すもの

偽関節と癒合不全
偽関節 骨がくっつこうとすることをやめてしまうことをさします。
そして、その部分には異常可動が起こります。
癒合不全 通常、骨がくっつくのにかかる期間を過ぎても、骨折部分がくっつかないことをさします。

偽関節癒合不全の後遺症が残ると、

日常生活の動作が制限される

痛み、しびれなどの神経症状が残る

こういった状態になるおそれもあります。

それでは具体的に、各後遺障害等級の内容を確認しましょう。

後遺障害等級

肩の変形障害

等級 症状
79 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
88 1上肢に偽関節を残すもの
128 長管骨に変形を残すもの

7級と8級にはは「著しい」という表現の違いがあります。
著しいの定義をおさえておきましょう。

著しい運動障害

(1)上腕骨の骨幹部等に癒合不全を残すもの
(2)橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等に癒合不全を残すもの

(1)または(2)のいずれに該当し、
常に硬性補装具を必要とするものをさします。

長管骨とは、人体にある長く伸びた管状の骨をいいます。

《長管骨の変形》

上腕骨に15°以上の変形を残すもの

上腕骨の骨端部に癒合不全を残すもの

上腕骨の骨端部のほとんどを欠損したもの

骨端部を除く上腕骨の直径が2/3以下に減少したもの

上腕骨が50°以上外旋または内旋変形癒合しているもの

肩に衝撃が加わると、つながっている上腕骨に影響が出る場合もあります。

「変形している」後遺障害慰謝料はいくら?

変形障害に対応する後遺障害慰謝料は以下のようになります。

後遺障害慰謝料

肩の変形障害

等級 自賠責基準 弁護士基準
79 409万円 1000万円
88 324万円 830万円
128 93万円 290万円

変形障害の等級は変形の程度運動への影響によります。
すべての等級で、弁護士基準の方が慰謝料相場は高くなります。

4

肩の後遺障害|欠損障害の後遺障害等級は何級?慰謝料はいくら?

「肩から先を失ってしまった…」後遺障害等級は何級?

認定される可能性がある後遺障害等級は1級3号2級3号4級4号5級4号があげられます。
いずれにせよ非常に重篤な後遺障害といえます。

後遺障害等級

肩の欠損障害

等級 内容
13 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
23 両上肢を手関節以上で失ったもの
44 1上肢をひじ関節以上で失ったもの
54 1上肢を手関節以上で失ったもの

上肢をひじ関節以上で失ったものには、肩関節で肩甲骨と上腕骨が離断したものも含まれます。
後遺障害等級自体は、失ってしまったのが両上肢か1上肢かひじ関節以上か手関節以上かで変わります。

「肩から先を失ってしまった…」後遺障害慰謝料はいくら?

欠損障害に関する後遺障害慰謝料を見てみましょう。

後遺障害慰謝料

肩の欠損障害

等級 自賠責基準 弁護士基準
13 1100万円 2800万円
23 958万円 2370万円
44 712万円 1670万円
54 599万円 1400万円

交通事故にあうまでの生活から一変してしまう大きな後遺障害です。被害者ご本人はもちろん、周囲の人の生活も一変させてしまうでしょう。

もし、相手方の提案をそのまま受けいれていると、自賠責保険の基準のような金額になる可能性があります。

示談は一度締結すると、被害者といえど内容変更は難しくなります。必ず示談前に、内容が適正かを弁護士にたずねてみてください。

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弁護士プロフィール

岡野武志弁護士

(第二東京弁護士会)

全国10事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2019年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。

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