交通事故による脳損傷|弁護士解説|後遺障害認定申請のポイント
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
交通事故による脳損傷|弁護士解説|後遺障害認定申請のポイント
頭部に外部からの強い衝撃を受け、出血などの損傷が発生することを脳損傷といいます。
この記事は
症状
後遺症
後遺障害認定されうる等級
交通事故での脳損傷を解説します。
具体的な後遺障害等級や慰謝料についてまず知りたい方は以下の関連記事をお読みください。
脳損傷の症状は?
「脳損傷」というのは病名や診断名ではなく、脳が損傷していることをさします。医療機関では、CTやMRIなどの検査を行い、脳損傷が何を引き起こしているのかを確認します。
どんなふうに損傷するのか、程度や部位で「診断名」が変わります。
脳損傷
脳しんとう
くも膜下出血
脳挫傷
脳梗塞
びまん性軸索損傷
硬膜下血腫(慢性硬膜下血腫、急性硬膜下血腫)
それぞれの症状をみていきましょう。
記載内容は一例となりますので、参考程度にご覧ください。
診断名 | 症状(一例) |
---|---|
脳しんとう | 意識消失・意識障害、記憶力低下、健忘症状、吐き気(おう吐)、頭痛、めまい、ふらつき、不眠 |
脳挫傷 | 意識障害、半身麻痺、感覚障害・言語障害、けいれん発作、吐き気(おう吐)、頭痛、脳ヘルニア |
脳梗塞 | 意識障害、半身麻痺、感覚障害・言語障害、半身のしびれ、めまい・ふらつき |
脳が損傷すると、全身に様々な症状が表れることが分かります。
もっとそれぞれの診断名について詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。
脳損傷は後遺障害認定される?
交通事故の損傷賠償で重要なキーワードに「後遺障害」があります。
後遺症(後遺障害)とは
治療を継続しても、これ以上は良くも悪くもならないという状態で残存する症状をさします。
交通事故の場合では、負傷した部位・負傷の程度により1~14段階の後遺障害等級で区分されます。
脳損傷で生じることのある後遺障害には以下のようなものがあります。
高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)
麻痺
遷延性意識障害(せんえんせいいしきしょうがい)
脳損傷で後遺障害に認定されたら慰謝料が増える?
1~14級までの後遺障害等級に認定されると、加害者側から支払われる金銭が増えます。
それは後遺障害慰謝料と逸失利益です。
後遺障害慰謝料 |
---|
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償 |
逸失利益 |
後遺障害が残ったことで労働能力が失われ収入が減ることへの補償
<計算式> |
後遺障害慰謝料と逸失利益は「後遺障害認定」されて初めて請求できます。
つまり、受けとれる費目が増えるので受けとる全体の金額も自然と増額します。
以下のページでは逸失利益計算の仕組みや「計算機」を紹介しています。
自動で簡単に逸失利益や慰謝料を算出できます。
後遺障害等級認定の申請から慰謝料の獲得まで
脳損傷の後遺障害等級の申請~後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
■症状固定
今後治療を継続しても良くも悪くもならないという状態を症状固定といいます。
症状固定かどうかは、医師の判断が尊重されます。
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故発生から約6ヶ月以上経っている必要があります。治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高まります。
実際は、脳損傷の入通院期間は1年以上かかるケースもありますので、症状固定の時期は個別に異なります。
■後遺障害診断書・検査結果などを提出
症状固定と診断されたら、後遺障害等級認定へ向けた準備の時期です。
後遺障害診断書などの提出書類を用意しましょう。
また、脳損傷での「高次脳機能障害」の場合、認定を受けるなら下記の資料も必要です。
頭部外傷後の意識障害についての所見 |
---|
高次脳機能障害での認定要件に交通事故直後に意識障害や健忘があることがあげられます。 この書類でその存在を示していきます。 |
神経系統の障害に関する医学的意見 |
脳に器質的(物理的)な損傷が認められることを示す資料。脳挫傷、びまん性軸索損傷、びまん性脳挫傷などの診断名が記載されていることも重要なポイントです。画像検査の結果、脳萎縮、脳室の拡大、脳内出血などの異常がみられることが条件です。 |
知能・記憶・遂行機能検査の結果* |
<検査方法の例> ・ウェクスラー成人知能検査 ・ミニメンタルステート検査 ・長谷川式簡易知能評価スケール改訂版 |
*検査方法は一部抜粋
後遺障害認定の申請方法は「2つ」
2種類の方法があり、どちらを選択するかは被害者が選べます。
事前認定
医師に「後遺障害診断書」などを作成してもらい、加害者側の任意保険会社に提出します。
被害者にかかる手間が少ないので、比較的簡単に後遺障害認定を申請できる方法です。
被害者請求
被害者請求は、医師に「後遺障害診断書」などを作成してもらい、その他の提出資料やデータは被害者自らが集めます。
手間がかかる反面、認定を受けるための工夫ができる「強み」があります。
■損害保険料率算出機構による審査(書面)
損害保険料率算出機構によって後遺障害等級が審査されます。
審査結果をふまえて自賠責保険会社が等級認定をします。
認定された後遺障害等級に応じて慰謝料が算定されます。
より詳細な手順や後遺症認定全般については以下の記事を参照してください。
後遺障害等級の申請について
後遺障害認定申請は「〇〇〇請求」がおすすめ
弁護士の立場からお勧めするのは被害者請求で後遺障害認定を申請することです。
資料収集は、弁護士に依頼することも可能だからです。
認定を適正に受けるためには、検査結果などの医学的な証明は必要不可欠です。
症状の存在を裏付ける検査結果などの提出する情報をしっかり吟味して被害者請求を行い、手間や負担の大きいところを弁護士がサポートします。
事故との因果関係
仕事に与えている影響
治療の経緯と現在残っている症状
これらをしっかり主張していきましょう。
【年中無休】無料相談予約がスマホで簡単にできる
弁護士がサポートできることはたくさんあります。
後遺障害診断書の内容を一緒に確認します
→認定を目指せる書き方になっているか?過不足はないか?
被害者請求の資料収集を代わりに行います
→被害者の負担を減らせるようにサポート
慰謝料を適正な金額にするよう交渉します
→示談交渉の専門家としてしっかり主張
弁護士に依頼することのメリットの一例です。
ここからは「弁護士無料相談」のご案内です。
選べる相談窓口|電話相談?LINE相談?
アトム法律事務所の無料相談の予約受付の窓口は年中無休です。それは「交通事故はいつ何時起こるか分からないから」です。
「被害者の方に寄り添いたい」この想いで年中無休の相談予約窓口を設けています。
24時間OK
365日
土日祝OK
いつでもお待ちしています。
▼電話相談
まずは専任のスタッフがしっかりお話をお伺いします。そしてご相談内容に対して最も適切なご案内をいたします。
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直接弁護士とLINE相談が可能です。「あいている時間を有効に使って相談できた」と好評です。
原則、お問い合わせいただいた順番に対応してまいります。弁護士の人数には限りがありますので、順番をお待ちいただく場合もございます。何卒ご了承ください。
あなたにとって「最適」な結果を目指しましょう
交通事故の被害にあってしまい、大変な苦しみがあることとお察しします。まずは損害に対する賠償をしっかり受けとることが大事です。弁護士と一緒に、あなたにとって目指すべき結果や道筋を立てていきましょう。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。