上腕骨顆上骨折の後遺症|症状や後遺障害等級認定の流れ・ポイントを弁護士が解説!
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
上腕骨顆上骨折の後遺症|症状や後遺障害等級認定の流れ・ポイントを弁護士が解説!
上腕骨の肘付近は「上腕骨遠位端(じょうわんこつえんいたん)」ともいわれます。遠位端には大きく膨らんだ形をしている「顆(か)」という部分があります。
この記事は交通事故によるほとんど肘に近い部分での骨折、「上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)」について解説しています。
この記事でとりあげるのは
症状
後遺症
後遺障害認定の可能性
主にこの3つです。
上腕骨顆上骨折の後遺障害慰謝料など、より詳しい等級ごとの特徴を知りたい方は以下の関連記事を参考にしてください。
関連記事:上腕骨顆上骨折の後遺障害等級と慰謝料
上腕骨顆上骨折とは?どんな症状がある?
上腕骨が折れたり、ずれたりすると上腕骨周辺の神経・動脈の圧迫や損傷につながります。すると、次のような症状が表れる傾向があります。
※症状の出方には個人差がありますが、参考にしてください。
肘の腫れ | 痛み | 皮下出血 |
---|---|---|
受傷部の異常な動き | 脈拍が弱くなる | 受傷部の変色 |
手指の運動障害 | 手指の異常感覚 | 手指のしびれ |
骨折部付近の変色や手指にしびれ・異常感覚・運動障害などの影響がみられる場合、損傷部周辺の神経や血管への影響が考えられます。より迅速な対応が必要とされます。
上腕骨顆上骨折の後遺症は「後遺障害」に認定される?
交通事故の損害賠償では、「後遺障害の有無」が一つの分かれ目となります。それは交通事故解決のフローをみてもわかります。
フロー
後遺障害とは
一生懸命に治療をしても、完治するかは分かりません。治療の甲斐なく、身体に症状が残ってしまうことがあります。この症状を「後遺症」といいます。
後遺障害というのは、一定の要件に当てはまる後遺症と考えると分かりやすいです。その条件とは次の4つです。
後遺障害の4要件
交通事故による怪我が原因となっている
医学的に適切な方法で治療を継続したけれども症状が残存している
将来的に回復がむずかしいと見込まれる肉体的・精神的な症状
症状の存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うものとして一定の基準に該当するもの
後遺障害等級は後遺障害の残る身体の部位や怪我の程度に応じて規定されています。4つの要件を満たし、かつ当てはまる等級があれば後遺障害認定となります。
そして、後遺障害に認定されれば後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能になります。請求できる費目が増えるので、自然と損害賠償金も増加します。
内訳
上腕骨顆上骨折の後遺症
上腕骨顆上骨折の後遺症には次のような症状があげられます。
骨折箇所が正しくくっつかない
腕が変形してしまった
手や指の関節が自由に動かせない、動く範囲が限られる
こういった症状は後遺障害等級認定を受けられる可能性があります。
後遺障害認定の2つの方法
治療を継続した結果、治癒・完治するまたは治療を続けても良くも悪くもならないのいずれかを迎えることになります。この「良くも悪くもならない」を症状固定といいます。後遺障害等級認定を受ける場合は、症状固定日が交通事故から6ヶ月以上たっていることが基準の一つとされています。
後遺障害の認定を受けるには後遺障害等級認定の申請が必要です。方法は2つあり、被害者が自由に選択できます。
後遺障害認定申請方法
(1)事前認定
(2)被害者請求
一つずつみていきましょう。
(1)事前認定
事前認定のフロー
まず医師に後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。そして書類を受けとったら、加害者側の任意保険会社に資料を提出します。被害者自身で行うことは以上となり、あとは等級認定結果を待つことになります。
後述する「被害者請求」と比べると、被害者自身にかかる負担や手間は少なく済みます。その一方で、最終的にどのような書類で申請をしたかなどが分からず、想定していた等級認定とならずに不満を感じることがあるかもしれません。
(2)被害者請求
被害者請求のフロー
まず医師に後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。そして「後遺障害診断書」と共に、認定申請の書類をそろえたら加害者側の自賠責保険会社に提出をします。どんな資料を出すかは被害者の自由ですので、被害者の主張を強める資料を提出したり、もし不利に働きそうな状況があればその補足説明を行うことが可能です。
後遺障害等級認定においては、CTやレントゲン、MRIなどの「医学的な診断・検査データ」が結果を左右します。被害者請求は、被害者自身に手間がかかるというデメリットはありますが、データを集めて提出するなどの工夫ができます。
等級認定
損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。審査は原則、書面となります。
後遺障害等級が決まったら、等級に応じて後遺障害慰謝料が算定されます。
上腕骨顆上骨折は後遺障害〇級該当の可能性
上腕骨顆上骨折の後遺症としては
変形
しびれ
に関する後遺障害等級に認定される可能性があります。
変形* | ||
---|---|---|
7級9号 | 8級8号 | 12級8号 |
しびれ・痛み | ||
12級13号 | 14級9号 |
*併合6級認定の可能性もあり
認定の可能性がある後遺障害等級は上表のとおりです。
より詳細な後遺障害等級ごとの内容や慰謝料金額については下記のページも参考にしてください。
保険会社からの提案内容に疑問はありませんか
この記事のまとめ
上腕骨顆上骨折の後遺障害等級認定の申請は「被害者請求」がおすすめ
上腕骨顆上骨折の「しびれ・痛み」や「変形」は後遺障害等級認定される可能性がある
まずは、適切な「後遺障害等級」に認定されることが重要です。後遺障害等級認定を力強くサポートするのが弁護士の役割のひとつです。
また、保険会社から提案されている内容について金額は適正か、増額の余地がないかなども弁護士ならチェックできます。
ここからは「弁護士無料相談」のご案内です。
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ひとことアドバイス
相談はいつでも受け付けています。
「早すぎる」ということは決してありません。特に、この3つのタイミングに当てはまる方は今がベストの相談時期と考えてください。
弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。