腕神経叢損傷|後遺症認定で慰謝料が増額?後遺障害はどう申請する?
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
腕神経叢損傷|後遺症認定で慰謝料が増額?後遺障害はどう申請する?
本記事は「腕神経叢損傷の後遺症」について弁護士が解説します。
交通事故で腕神経叢損傷を負ったら、どのくらいの損害賠償を請求することができるのでしょうか。納得いかない示談で後悔しないように、症状に適した後遺障害等級の認定を目指すことが大切です。
腕神経叢損傷の症状、後遺障害等級の申請方法まで順を追って解説します。
腕神経叢損傷はどんな症状?
腕神経叢損傷による症状はつぎの通りです。
腕神経叢損傷の症状
▼一般的な症状
力が入らず腕を上げられない
肘を曲げる力が弱い
指に力が入らず動かせない
腕、指のしびれ
首から鎖骨にかけて腫れ、痛み
▼重症ケース
眼瞼下垂(まぶたが落ちる)
ホルネル徴候(自律神経の障害)
など
腕神経叢損傷では主にこのような症状があげられます。
腕神経叢損傷の後遺症|腕が動かない!
後遺症(後遺障害)
治療をつづけても、さらなる回復が見込めない状態で残った症状
交通事故の後遺障害は、障害部位や内容に応じて14段階の等級で区分される
腕神経叢損傷で残った後遺症は後遺障害に認定される可能性があります。主な後遺障害の症状はこちらのとおりです。
腕神経叢損傷による主な後遺障害
腕の関節(肩・肘・手首)が曲がらない
指の関節が曲がらない
痛み・しびれ
など、腕神経叢損傷では主にこのような後遺障害が残る可能性があります。
腕神経叢損傷で慰謝料を増加させる方法
腕神経叢損傷による後遺症が「後遺障害」に認定されると、等級に応じた後遺障害慰謝料・逸失利益を交通事故の相手方に対し請求することができるようになります。
後遺障害慰謝料
後遺障害が残ったことで受けた精神的ダメージに対して支払われる損害賠償
後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害の等級に応じて決められています。
後遺障害の逸失利益
後遺障害が残ったことが原因で労働能力が低下または喪失し、将来的に得るはずだった収入が減少することに対して支払われる損害賠償
逸失利益における基礎的な計算法を紹介します。
計算式
基礎収入(年収)×労働能力喪失率×労働能力喪失期間(67歳-症状固定時の年齢)に対応するライプニッツ係数 |
この計算式で使われる「労働能力喪失率」という項は、
障害の部位や程度
被害者の職業
などを考慮して増減することがあります。主婦などの場合の年収算定方法、ライプニッツ係数一覧などについてこちらの記事にて詳しく解説しています。
<関連記事>交通事故における逸失利益の計算方法
労働能力喪失率の基準は等級に応じて設定されています。後遺障害の認定が得られても、症状にふさわしい等級でないと適正額の補償を得ることはできません。後遺障害の認定には、後遺障害等級認定の知識が豊富な弁護士に相談することをおすすめします。
後遺障害等級の申請方法|腕神経叢損傷のケース
腕神経叢損傷における後遺障害等級の申請~等級認定までの流れを解説します。
①症状固定
治療を受けつづけても症状が今以上に回復する兆しが見られなくなる状態を症状固定といいます。原則的に、事故から約6ヶ月以上が経過している場合に後遺障害等級の認定が受けられます。6ヶ月よりも短い治療期間だと、後遺障害の認定が受けられなくなる可能性が高いです。必要に応じた定期的な通院が重要になります。
②後遺障害診断書に関する資料の準備
症状固定の診断後、後遺障害等級の認定に向けて「後遺障害診断書」など医学的資料を用意します。
後遺障害の申請方法には事前認定と被害者請求の2通りあり、いずれかの方法を選ぶことができます。
被害者が「後遺障害診断書」のみを任意保険会社に提出する。
被害者が「後遺障害診断書」・「その他の医学資料」を自賠責保険へ提出する。
被害者請求での申請は、ご自身で資料を集める必要があり手間がかかりますが認定に有利な資料を提出することができます。弁護士に依頼すれば資料集めの作業を任せることができます。仕事や家事に追われて資料を集める時間がないなどのお悩みがある方は弁護士に一度ご相談ください。
③損害保険料率算出機構の審査
提出した資料にもとづいて、損害保険料率算出機構によって後遺障害等級の基準を満たしているのかの審査がおこなわれます。審査の結果をふまえて自賠責保険会社によって等級認定がおこなわれます。
さらに詳細な認定の流れ、後遺障害診断書の書き方などについては関連記事をご覧ください。
<関連記事>後遺障害等級の申請
後遺障害等級が認定されると、等級に応じた慰謝料の算定がおこなわれます。腕神経叢損傷の後遺症で認定の可能性がある後遺障害等級については、関連記事をご確認ください。
<関連記事>腕神経叢損傷が原因の後遺障害等級と慰謝料
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認定が見込まれる等級
認定の可能性を上げる方法
慰謝料増額のポイント
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。