腰椎圧迫骨折の後遺症|症状や後遺症、慰謝料請求の流れを解説
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
腰椎圧迫骨折の後遺症|症状や後遺症、慰謝料請求の流れを解説
この記事のポイント
腰椎圧迫骨折で「腰椎の変形」「麻痺」「胸腰部の可動域制限」「痛み・しびれ」などなどの後遺症が残ると、後遺傷害慰謝料や逸失利益を請求できる
後遺障害等級認定の申請方法、後遺障害慰謝料の金額をご紹介
この記事では、腰椎圧迫骨折でどのような後遺症が残る可能性があるのか、それによって請求できる後遺障害慰謝料の金額はいくらかについて解説しています。
また、後遺障害慰謝料の請求に必要な後遺障害等級の認定についても解説しています。
腰椎圧迫骨折とは|症状、後遺症を解説
腰椎圧迫骨折とは?
腰椎圧迫骨折とは、背骨の腰部分を構成するブロック状の骨である腰椎が、上下からの衝撃を付けて潰れるように折れることです。
交通事故の場合は、車両から投げ出されてお尻から地面に落ちたなどの場合に発生します。
基本的に手術ではなく、骨折部をコルセットなどで固定して骨が癒合するのを待つ治療法がとられます。
腰椎圧迫骨折の症状は?
腰椎圧迫骨折には、以下のような症状があります。
疼痛
側腹部通
側胸部通
下腹部痛
叩打痛:骨折部を軽く叩くと痛い
後弯変形:猫背の様に背骨が丸く変形する
神経症状:骨が神経を圧迫し、下肢のしびれ・筋力低下が発生する
腰椎圧迫骨折で後遺症は残る?
後遺症(後遺障害)
十分な治療を行っても、これ以上良くも悪くもならないという状態で残存する症状
交通事故の場合、その部位と程度により14段階の後遺障害等級で区分される
腰椎圧迫骨折では、後遺症が残る場合があります。腰椎圧迫骨折による後遺症の症状としては、以下のものがあります。
腰椎の変形 | 骨が上手く癒合しないことで生じる |
---|---|
麻痺 | 腰椎の周りを通る神経や脊椎が損傷することで生じる |
痛み、しびれ | 腰椎の周りの神経が損傷することで生じる |
可動域制限 | 上体を前後左右に倒す、回すことができなくなる |
腰椎圧迫骨折の後遺症|慰謝料請求の流れ
腰椎圧迫骨折の後遺症で慰謝料が増える?
腰椎圧迫骨折で後遺症が残ると、後遺障害等級と後遺障害逸失利益が請求できる可能性があります。
後遺障害慰謝料
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
後遺障害の逸失利益
後遺障害が残ったことで労働能力が失われ収入が減ることへの補償
要チェック
後遺傷害慰謝料や後遺障害逸失利益を得るためには、後遺障害等級が認定されていなければなりません。そして後遺障害慰謝料の金額は、認定された等級を参考に決められます。
腰椎圧迫骨折の後遺障害慰謝料はいくら?
では、腰椎圧迫骨折の後遺症の場合は後遺障害等級何級に該当し、どれくらいの慰謝料を請求できるのか見てみましょう。
等級 | 慰謝料 |
---|---|
1級 | 2800万円 |
2級 | 2370万円 |
3級 | 1990万円 |
5級 | 1400万円 |
6級 | 1180万円 |
7級 | 1000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
14級 | 110万円 |
要チェック
ここでご紹介した金額は、示談交渉時に被害者側弁護士が提示する金額です。
加害者側が提示する金額は、これより低額であることが多いことにご注意ください。
後遺障害逸失利益については、こちらの慰謝料計算機に等級や年収等をを入力していただくことで、簡単に計算できます。
後遺障害等級の申請方法|腰椎圧迫骨折の場合
では、実際に腰椎圧迫骨折で後遺障害等級の申請をして、後遺障害慰謝料を受け取るまでの流れを見てみましょう。
①症状が固定される
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。後遺障害等級認定の申請ができるのは、この「症状固定」の診断を受けてからになります。
要チェック
後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
②後遺障害診断書等の用意
症状固定の診断を受けたら、次は後遺障害等級認定の申請に必要な資料を集め、提出します。
後遺障害等級認定の申請ルートは2種類あるのですが、どちらを選ぶかで集める資料と提出先が変わるため、それぞれ居ついてご紹介します。
①事前認定
集める資料:後遺障害診断書
提出先:加害者側任意保険
事前認定の場合、後遺障害診断書以外の必要資料は加害者側任意保険会社が集めてくれます。手間はかかりませんが、その分保険会社主導の申請となるため、必要最低限の資料のみを審査機関に提出する、事務的な申請になりがちです。
②被害者請求
集める資料:後遺障害診断書、医師による診断書、診療報酬明細書、交通事故証明書、後遺障害の存在や症状を裏付ける資料
提出先:加害者側自賠責保険会社
被害者請求では必要資料はすべて被害者が集めるため、手間がかかります。しかしその分、被害者主体で準備を進めることができ、より詳しく症状を伝えるための追加資料を添付するなど、柔軟な対策が可能です。
後遺障害等級認定の審査は、基本的に提出した資料のみを見て行われるため、これは大きなメリットです。
③損害保険料率算出機構による審査
必要資料を加害者側保険会社に提出し、そこから資料が損害保険料率算出機構に渡ると、提出された資料をもとに後遺障害等級の審査が行われます。
結果は30日以内に出ることが多いですが、判断が難しいもの、経過を見る必要があるものについては数ヶ月から数年かかることもあります。
結果が出ると、審査結果とその結果に至った理由を書いた書類が届けられます。
腰椎圧迫骨折の後遺障害慰謝料は弁護士に相談を
【重要】慰謝料請求のポイント
後遺障害慰謝料の請求に当たっては、
後遺障害等級は必ず認定されるとは限らない
慰謝料の金額は示談交渉次第
という点に注意が必要です。
後遺障害等級にはそれぞれ認定基準がありますから、それに該当しないと判断されると、等級が認定されません。認定基準に該当するかどうかの判断は、主に提出した資料を見て行われますので、提出資料の工夫が必要です。
また、この記事でご紹介した慰謝料金額は、示談交渉時に被害者側弁護士が提示する金額であり、加害者側からはもっと低額な金額を提示されます。十分な金額を得ようと思うと、増額交渉を成功させる必要があるのです。
弁護士にご相談いただくと、こうした後遺障害等級認定の申請や示談交渉について、専門的なサポートを致します。まずは無料相談に、お気軽にご連絡ください。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。