【むちうちの後遺症】後遺障害等級認定の流れは?慰謝料や逸失利益の金額もご紹介
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
【むちうちの後遺症】後遺障害等級認定の流れは?慰謝料や逸失利益の金額もご紹介
交通事故によるむちうちで後遺障害が残り、後遺障害等級が認定されると、後遺傷害慰謝料と逸失利益を請求できるようになります。
そこでこの記事では、むちうちの後遺障害について、
・後遺障害慰謝料と逸失利益の金額
・後遺障害等級認定の方法とポイント
を解説していきます。
むちうちの後遺障害と慰謝料金額
むちうちで後遺障害は残る?
むちうちとは、交通事故による衝撃で首や腰がムチのようにしなることで発症するものです。
「むちうち」というのは俗称ですので、病院での診断名は頸椎捻挫・頸部挫傷・外傷性頸部症候群・外傷性神経根症・腰椎捻挫などになります。
そしてこうした「むちうち」を発症すると、神経や筋肉が損傷し、痛みやしびれが後遺障害として残る可能性があります。
【コラム】整骨院への通院は要注意
むちうちを発症すると、整骨院への通院を希望する方も多いです。しかし交通事故によるむち打ちの場合、
① まずは整形外科を受診すること
② 整骨院通院は整形外科の医師の許可を得てからにすること
③ 整骨院に通いながら最低でも月に1回は整形外科に行くこと
が重要です。
交通事故でけがをすると、その入通院期間に応じた入通院慰謝料や治療費を請求することができます。しかし整骨院へ通院していた場合には、この入通院慰謝料や治療費が減額されたり、賠償請求の対象外とされたりする可能性が高いです。
また、後遺障害が残った場合には後遺障害慰謝料を請求できますが、この時に必要になる後遺障害診断書は、整骨院では作成してもらえません。
このように、整骨院への通院は、請求できる慰謝料金額にマイナスの影響を及ぼす可能性が高いです。整骨院への通院を希望する場合には、必ず上記の3点を守ってください。
むちうちの後遺障害|請求できる慰謝料金額は?
交通事故で後遺障害が残ると、後遺障害慰謝料を逸失利益を請求できます。
後遺障害慰謝料
後遺障害によって今後も受け続ける精神的苦痛に対する補償
逸失利益
後遺障害によって得られなくなった将来の収入に対する補償
これらの金額は、後遺障害の症状や程度に応じて認定される「後遺障害等級」を基準にして決められます。では、むち打ちによる後遺障害である痛み・しびれが該当する後遺障害等級と慰謝料金額を見てみましょう。
後遺障害慰謝料
むちうちによる痛み・しびれ
等級 | 弁護士基準 |
---|---|
12級13号 | 290万円 |
14級9号 | 110万円 |
→各等級の詳しい内容についてはこちら
逸失利益は、計算が複雑ですので以下の計算機からご確認ください。
なお、ここでご紹介しているのは「弁護士基準」と呼ばれる、示談交渉で被害者側の弁護士が提示する金額です。
実際の示談交渉では、加害者側保険会社から弁護士基準の半分以下の金額を提示されることも多いです。
たとえ増額してもらうよう交渉したとしても、弁護士がいない場合はここまでしか出さないという上限金額が設定されている場合も多いです。
そのため、加害者側から提示された金額が低い場合や増額交渉をしたい場合には、弁護士に相談することをお勧めします。
むちうちの後遺障害|後遺障害等級認定の流れ
後遺障害等級認定|申請の流れ
上でご紹介した後遺傷害慰謝料や逸失利益を請求するためには、後遺障害等級が認定されていなくてはなりません。ではここからは、後遺障害等級を認定してもらうための流れについて見ていきましょう。
後遺障害等級認定の申請は、上記の流れで行われます。結果は、認定の申請後30日以内に出ることが多いですが、場合によっては数カ月~数年かかることもあります。
この中で特に重要なのが、症状固定の時期と認定申請の方法です。それぞれについて見ていきます。
ポイント①症状固定
症状固定とは、これ以上治療を続けても大幅な改善は見込めないと判断されることです。
治療開始から症状固定までは、6ヶ月以上空いていることが望ましいです。これより短い場合、まだ治療の余地があるのではないか?と思われて、等級が認定されない可能性が高くなります。
ポイント②認定申請
症状固定の診断を受けたら、「損害保険料率算出機構」に必要資料を提出します。損害保険料率算出機構とは、後遺障害等級認定の審査を行う機関です。
実はこの時、必ず加害者側の保険会社を介することになっており、
加害者側任意保険会社を介する方法(事前認定)
加害者側自賠責保険会社を介する方法(被害者請求)
のどちらかを選ぶことになります。
では、事前認定と被害者請求の違いを解説していきます。
加害者側任意保険会社を介する「事前認定」では、被害者は後遺障害診断書のみを用意します。それを加害者側任意保険会社に提出すると、残りの必要資料は任意保険会社が用意して、損害保険料率算出機構に提出してくれます。
そのため、被害者の負担は少ないですが、申請に有利になる資料を追加することは難しいです。
加害者側自賠責保険会社を介する「被害者請求」では、被害者が必要資料を全て揃えます。自賠責保険会社は被害者から提出された資料をそのまま損害保険料率算出機構に渡すだけです。
こちらの方が準備は大変ですが、審査に有利になる資料を追加することができます。後遺障害等級認定の審査は、基本的に提出した資料のみを見て行われますので、これは大きなメリットです。
被害者請求で被害者が集める資料は以下の通りです。
必要資料
後遺障害診断書
医師による診断書
診療報酬明細書
交通事故証明書
後遺障害の存在や症状を裏付ける資料
事前認定と被害者請求|どちらを選ぶべき?
事前認定にも被害者請求にもメリットはありますが、
後遺障害等級認定の審査は基本的に資料のみを見て行われる
後遺障害等級次第で慰謝料や逸失利益の金額は大きく変わる
という点から考えると、審査に有利になる資料を追加できる被害者請求がお勧めです。
そうは言っても、後遺障害の影響や仕事の都合などで必要資料を全て集めることが難しい場合もあるかと思います。
そのような場合には、弁護士に依頼していただくことで資料集めを代行いたしますので、お気軽にご相談ください。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。