脳震盪の後遺症|後遺症や慰謝料金額、慰謝料請求の流れを解説!
作成:アトム弁護士法人(代表弁護士 岡野武志)
脳震盪の後遺症|後遺症や慰謝料金額、慰謝料請求の流れを解説!
この記事のポイント
脳震盪で「集中力の低下」「注意力の低下」「めまい」などの後遺症が残ると、後遺傷害慰謝料や逸失利益を請求できる
後遺障害等級認定の申請方法、後遺障害慰謝料の金額をご紹介
この記事では、脳震盪でどのような後遺症が残る可能性があるのか、それによって請求できる後遺障害慰謝料の金額はいくらかについて解説しています。
また、後遺障害慰謝料の請求に必要な後遺障害等級の認定についても解説しています。
脳震盪とは|症状と後遺症を解説
脳震盪の症状
脳震盪とは、脳に衝撃が加わることで一時的に脳の働きに支障が出ることです。脳震盪には、以下のような症状があります。
意識障害
記憶障害
めまい、ふらつき
疲労感
頭痛
けいれん
血圧の低下
脈が遅くなる
脳震盪による症状は一時的なものが多いですが、テレビゲームやインターネットなど集中力を使うものの利用は、症状の悪化や回復の遅れを招く可能性があります。受傷後しばらくは避けた方が良いでしょう。
また、重度の脳震盪の場合には、けいれんや血圧の低下、脈が遅くなるといった症状がみられることもあります。
脳震盪の重症化について
脳震盪の脳症状は一時的なものが多いですが、治りきる前に再び脳震盪を起こすとセカンドインパクト症候群を引き起こす可能性があります。その致死率は30~50%超とも言われており、回復しても神経症状が後遺症として残ることが多いです。また、急性硬膜下血腫を併発する場合も多いです。
セカンドインパクト症候群を防ぐため、スポーツ選手がプレー中に脳震盪を起こした場合は、14日間の運動禁止が推奨されています。
脳震盪で後遺症は残る?
後遺症(後遺障害)
十分な治療を行っても、これ以上良くも悪くもならないという状態で残存する症状
交通事故の場合、その部位と程度により14段階の後遺障害等級で区分される
脳震盪は、基本的には後遺症が残りにくいと言われています。しかし、2度目の脳震盪などで症状が重い場合には、神経障害が残ることが多いです。具体的な神経症状の内容は以下の通りです。
脳震盪による神経症状
集中力低下
注意力低下
めまい
疲労感
頭痛
脳震盪の後遺症|慰謝料請求の流れ
脳震盪の後遺症により増える慰謝料は?
交通事故による脳震盪で後遺症が残り、後遺障害等級が認定されると、後遺傷害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できるようになります。
後遺障害慰謝料
後遺障害を負ってしまったという精神的苦痛に対して支払われる損害賠償
後遺障害の逸失利益
後遺障害が残ったことで労働能力が失われ収入が減ることへの補償
脳震盪による後遺症が該当する後遺障害等級と慰謝料は、以下の通りです。
等級 | 慰謝料 |
---|---|
9級 | 690万円 |
12級 | 290万円 |
14級 | 110万円 |
→各等級の詳しい内容についてはこちら
後遺障害逸失利益は、計算が複雑ですので以下の計算機をお使いください。
後遺障害等級の申請方法|脳震盪の場合
①症状が固定される
治療を継続しても症状の改善が見込めなくなった状態を症状固定と言います。症状固定の診断を受けたということは、症状が後遺症として残ったということですので、後遺障害等級認定の申請ができるようになります。
なお、後遺障害等級認定を受ける場合は、原則事故から約6カ月以上経っている必要があります。
これ以上治療期間が短い場合は、後遺障害としては認められない可能性が高くなります。
②後遺障害診断書など書類の用意
症状固定の診断を受けたならば、後遺障害等級認定に向けて後遺障害診断書などの資料を準備します。後遺障害等級認定の審査は、基本的に申請者から提出された資料のみを見て行われます。そのため、後遺障害の有無や程度を後遺障害診断書やMRI画像などで証明できるよう工夫する必要があります。
後遺障害の申請には、2種類の方法があります。
被害者が後遺障害診断書のみを任意保険会社に提出する事前認定
被害者が経過証明書などその他の資料も用意して自賠責保険に提出する被害者請求
被害者請求は手間がかかりますが、後遺障害等級の認定に有利な資料を自分で精査できるのが強みです。なお、弁護士に資料収集作業を任せることもできます。
比較
事前認定と被害者請求
事前認定 | 被害者請求 | |
---|---|---|
請求者 | 相手方保険会社 | 被害者自身 |
メリット | 資料収集の手間がない | 自分で資料を確認できる |
デメリット | 自分で資料を確認できない | 資料収集の手間がかかる |
③損害保険料率算出機構による審査
提出された資料をもとに、損害保険料率算出機構が後遺障害等級の審査を行います。結果は30日以内に出ることが多いですが、判断が難しい・経過を見る必要があると判断された場合には、数ヶ月~数年かかることもあります。
示談交渉のポイント
後遺障害等級認定の結果が出て、その他の損害も確定したら、加害者側との示談交渉が始まります。そこで慰謝料などの金額を決めていくのですが、①加害者側から提示される金額は低額、②交渉相手は加害者側の任意保険会社であるという点に注意が必要です。
加害者側から提示される金額は、この記事でご紹介した、被害者側の弁護士が提示する金額よりも低額です。そのため、十分な金額を得るためには提示された金額よりも高い金額で合意する必要があるのですが、任意保険会社は交渉のプロですので、十分に増額させることは簡単ではありません。
後遺障害等級認定、慰謝料請求は弁護士に相談
後遺障害等級認定の申請や示談交渉は、弁護士にご相談ください。
ご相談いただくことで、専門的な経験や知識をもとにしたサポート、様々な手続きや示談交渉の代行を致します。
アトム法律事務所では、LINEや電話での無料相談を行っております。後遺障害等級が認定される可能性はあるか、加害者側から提示された金額は妥当か、どれくらい増額できる可能性があるか、といったご相談も受け付けております。
まずはお気軽に、ご連絡ください。
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弁護士プロフィール
岡野武志弁護士
(第二東京弁護士会)
全国12事務所体制で交通事故被害者の救済に取り組んでいる当事務所の代表弁護士。2008年の創業以来、幅広い間口で電話・LINE・メール相談などに無料で対応し、2024年現在は交通事故被害者の救済を中心に精力的に活動している。フットワークの軽い行動力とタフな精神力が強み。