【自営業】自転車に原付自転車が衝突、認容額2千万超

認容額 2206万6012円
年齢 44歳
性別 男性
職業 自営業
傷病名

頭部外傷(逆行性健忘、四肢筋力低下)、脳挫傷、頚部捻挫、胸腹部・左肘打撲

後遺障害等級 9級
判決日 平成20年1月29日
裁判所 神戸地方裁判所

交通事故の概要

平成13年10月26日午前9時10分頃、兵庫県西宮市中前田町先の交差点において、被害者が自転車で本件交差点を横断しようとしたところ、加害者である原動付自転車が進入禁止道路に侵入し、被害者の自転車に側面衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により緊急搬送され、意識は清明であったが、質問には答えられなかった。事故当時の状況を覚えておらず、自分の名前も思い出せない状態であり、自分の兄はわかるが離婚した妻や自分の子はわからなかった。当日の脳CT検査の結果に異常はなく、約1か月入院している間に行われた脳のMR検査でも決定的以上な所見はなかった。
しかし、その後頚部痛や右大腿部後部痛が出現し、嘔吐もあるため10日程再入院し、左側頚部痛、味覚異常等を訴え、再度行ったMR検査ではC5/6、C6/7の椎間板膨隆がみとめられるものの、脊髄の明らかな圧迫はなかったことから、外傷性頚椎間板ヘルニアと診断され、頸椎牽引とホットパックを受けることになった。

後遺障害の内容

頭部MRI検査の結果では、画像上以上がなかったと判断しているものの、逆行性健忘の症状が認められ、前頭葉機能に異常があり、明らかに認知機能障害が認められると判断。
社会常識、書字、計算能力、一般常識などは保たれており、年齢相応のコミュニケーションも可能であり、課題への取り組みは十分可能であるが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるということから、「神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」として後遺障害9級に該当する。

判決の概要

本件事故により、逆行性健忘等の傷害を負った被害者。加害者及びその使用者であり事故車両の保有者である会社が損害賠償責任を負うことを認定し、被害者の現在の症状は器質性の障害であるとみることは出来ないが、本件事故との因果関係があるとみるのが相当であり、また、素因による減額は認められないとしつつ、本件の事故態様のもとにおいては、被害者も足踏み式自転車に乗車して走行するものとして前方の安全を注意して走行すべき義務を怠った過失があるとして3割の過失相殺を行った事例。

認容された損害額の内訳

治療関係費 210万3813円
入院雑費 5万3300円
休業損害 266万6753円
逸失利益 2622万3127円
慰謝料 740万円
弁護士費用 210万円
過失相殺 -1693万3016円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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